食のプロ・コラム

コーヒーと地域貢献

  • 2014年12月11日
  • 日本フードコーディネーター協会

 

名古屋女子大学短期大学部 准教授
日本フードコーディネーター協会
理事 松本 貴志子

 

「コーヒーと地域貢献」


コーヒーの原産地は東アフリカ、エチオピアのカッファ州であり、漢字の珈琲はポルトガル語の当て字で、カフェはこのカッファのナマリとされる。
コーヒーを最初に飲用したのは七世紀にアラビア人がエチオピアのコーヒーを液汁として飲んだのが始まりで、その後豆を煎って用いるようになったのは九世紀末にペルシャ人がコーヒー豆を焙煎し、生豆を煎って砕いたものを煎じて胃薬として飲んだとされている。
コーヒーの歴史は白井隆一郎氏によると、イスラムの宗教的観念を背景に広まり、ロンドンではコーヒー・ハウスと関わってドイツでは近代市民社会の諸制度を準備した。
さらに、パリではフランス革命を経て十七世紀末にはカフェが登場する。その一方、植民地での搾取と人種差別に関係し、現在ではフェアトレードという仕組みが取り入れられ現地の生産者に利益が還元されるような仕組みになりつつある。
そしてコーヒーは換金作物として世界中に流通している。
そのようなことを背景に嗜好食品として愛されるばかりでなく、多くの研究が進められ、ストレス解消やアルツハイマーを予防する効果も期待されている。
1杯のコーヒーが人の集まる場所には必要であり、また脳の活性化にも役立つという利点を考えると、憩いの場にはなくてはならない飲み物の一つとして多くの人々に飲用されるきっかけになると考察した。
コーヒーはアカネ科に属する熱帯性の常緑樹で、主に赤道を挟む南北25度のコーヒーベルト地帯と呼ばれる地域で栽培される。コーヒーの実は熟すると紅色となり、その中に二個の種子をもち、焙煎はコーヒーの風味を左右する極めて大切な行程で、原料豆の成分がアミノカルボニル反応を受けコーヒー特有の香気物質や色素を生成する。
以上のことを背景にヨーロッパのカフェ文化のような人が集う場所の提供と確保の必要性を考えた。


 私の勤務する名古屋女子大学・短期大学部では、2年前に生活学科をスタートさせ教育課程を見直すことにより、多くの資格取得を可能にすることを試みた(本学は2009年にフードコーディネーター認定校に承認さる)。
 また、卒業と同時に即社会の実践力となる人材の育成を目標に、1年次に「地域貢献入門・基礎演習」を、2年次には「地域貢献実践・応用演習」などの演習科目をカリキュラムに組み込み、学科の教員全員で取り組んだ。

 


 

  「名女カフェ」プロジェクトでは、コーヒー豆の知識とコーヒーの淹れ方の技術をコーヒー専門家から習得した。その技術を磨くため1ヶ月間地域の焙煎業者のもとでインターンシップを実施させた。
また、中部・東海・北陸地域唯一、最大の外食・給食・中食業界が開催する第25回「フードビジネスショー」に参加し、コーヒーのサービスを行った。
このことが学生の意識を高め、地域に根ざした活動がコーヒーを媒介にして実現した。人々が生活の質を高めるためのサポートと目標が達成された時の喜びの共有、コーヒーのサービス支援で地域活性を行うことなど、自ら企画・運営に携わることで地域貢献の重要性を身をもって体験することができたと考えている。

 

 


  具体的には、「里山体験カフェプロジェクト」である。平成26年5月18日、花桃が咲き、青空にピンクの霞がかかったのどかな里山(恵那市山岡町)で、人類発祥の地アフリカ、タンザニアのキリマンジャロのルカニ村に民泊してコーヒーの調査に参加したメンバーと、恵那市久保原近郊の皆さんとの町おこしイベントに「名女カフェ」の学生たちが参加して「ルカニ村おもてなしカフェ」を開き、コーヒーやアフリカのザンジバルカレーのサービス行いました。
 地域住民とのふれあいを通して、「食の力が日本を変え、食べる力が体を変える」ことを体験できた一日でした。

 


 このように社会の中で、学生が活躍する場を増やし、机上の勉強ばかりでなく、地域交流を実践することが、私の役割であり、フードコーディネーターの仕事の必要性を学ぶきっかけになることを切に願っている。
 

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