食のプロ・コラム

農業王国デンマーク

  • 2016年11月28日
  • 日本フードコーディネーター協会
農業王国デンマーク

 

                                                                                                                                                                                                   日本フードコーディネーター協会
理事 江上種英

 「コーヒーと地域貢献」

 みなさまは「デンマーク」という国名を聞いて、どのようなイメージを持たれるでしょうか?
「アンデルセン」「チボリ公園」「人魚姫の像」等いろいろあると思いますが、実は食料自給率が300%の農業大国なのです。特に乳製品と豚肉は日本への主要輸出品となっています。
 その製造工程を見学するために、デンマーク農業理事会のご案内で、インポーター、小売、製菓製パンの方たちと共に3都市を訪れてきました。

 

  デンマークの農業および食品産業における経営主体の特徴として,協同組合組織が挙げられます。協同組合は,農家によって 100%所有されており,生産部門のみならず加工・流通,輸出部門に至る大手企業まで垂直統合が進んでいます。デンマーク産農産物の高い安全性と競争力は、農家が主体的に関与することで保たれ、デンマーク農業理事会はデンマーク産食品農産物の市場拡大に関するあらゆる業務を担当しているのです。


 東京からのフライトは約12時間、最初の目的地はコペンハーゲンです。
8月末、日本では猛暑が続いていましたが、現地は最高でも19度前後で、朝晩は肌寒い気候でした。
  まず初日、コペンハーゲン中心部にあるデンマーク農業理事会本部を訪れました。有名なチボリ公園の近くにあるモダンなオフィスには、北欧らしいインテリアが施され、そこで、デンマークと日本との乳製品や豚肉における幅広い関わりについてのレクチャーを受けました。
 デンマークは食料自給率が300%を超えており、高品質の農産物は日本にも輸出されています。産地名はイメージできなくても、例えば有名宅配ピザチェーンのチーズやソーセージ、沖縄料理に使われるランチョンミートなどでなじみ深い味なのです。

 翌日アーラフーズ(スカンジナビアで最大の乳業メーカー)タウロフ工場(チーズ工場)を訪問しました。
大変近代的な工場で、周囲の広大な農地で育てられている農家から集乳されチーズが作られています。生産ラインのなかでフレッシュチーズを試食させてもらいましたが、適度な塩味とチキンのような歯ごたえで、大変美味でした。


その後デニッシュクラウン・ホーセンス工場に移動しました。
こちらは10秒に1頭豚の屠殺をしている計算で、24時間稼働している世界最大級の食肉加工場です。豚は二酸化炭素の部屋に入れられて気絶し、苦しむことなく首から血を抜かれて屠殺され、毛を焼かれて各部位に解体されます。これらの工程は全て見学することが出来て、ホームページでも動画が公開されています。

http://www.danishcrown.jp/ 

デンマークの方々にとっては、魚のさばき方の動画のような感覚でしょうか。

 


 さて、その後一行はアーラフーズ本社(オーフス)に移動しました。こちらにはキャロラインキッチンと呼ばれる素晴らしいテストキッチンがあり、レシピ開発などをおこなっています。こちらではシェフが常駐していて、アトリウムでディナーをいただきました。

 

 


 

翌日、アーラフーズ・ロッドケアス工場を訪問。
デンマークの代表的な料理「オープンサンドイッチ」をいただきました。

 

 

 

 その後ウーレンホルト本社(貿易会社)へ移動。こちらはロシアに権益をもつ商社で、ソチオリンピックの時に、食料の手配を行った会社です。しかしながら東西冷戦でロシア向けの乳製品の輸出が止まり、現在はアジアに注力しているそうです。

 4泊6日で6箇所を周る弾丸視察でしたが、なかなか訪れない場所を見学することができて、大変有意義でした。デンマークの人々が自分たちの農産物に誇りを持ち、そのために原子力発電所は1基もなく、電気のほとんどが風力発電などの再生可能エネルギーでまかなわれているということが印象的でした。
 
 
 

 
 
 

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