フードコーディネーター取材特派員NEWS

小樽エリアの新・名物料理に!「しりべしコトリアード」誕生

北海道

2013年2月12日

寒さが厳しく、雪も多いこの冬の北海道。2月中旬を過ぎてももまだまだ真冬です。そんな北海道からホットなニュースをお届けします。 去る1月30日、「しりべしコトリアード」の発表会が開催されました。会場のホテル「グランドパーク小樽」には、マスコミや行政、飲食店関係者など大勢の人たちが駆けつけました。

「しりべし」は漢字で書くと「後志」、札幌に隣接したエリアで、中心となるのが運河や石造りの建物で知られる小樽市です。ほかにニッカウヰスキーのある余市町、スキーで有名な倶知安町やニセコ町、海と奇岩の風景で知られる積丹町などがあります。

観光資源だけでなく、食も豊かで、エビ、サケ、イカ、ホタテ、ウニなどの海の幸、リンゴやブドウなどの果実、ジャガイモやアスパラガスなどの野菜、そして牧場から運ばれる牛乳など、北海道のおいしいものがほとんどそろう地域です。ワイン用ブドウの生産やワインづくりも盛んです。下のマークをご覧ください。北海道地図の中の赤く塗りつぶされているのが後志エリア、周囲のイラストが地域の特産物の一例です。(「しりべしコトリアード」の代表的素材を表現しています。)

 

「しりべしコトリアード」は、そうした環境から生まれたご当地グルメ。といっても決してB級グルメではなく、ピッカピカのA級ご当地グルメです。

メニュー開発に携わったのは、全日本司厨士協会北海道地方本部小樽支部のメンバー。つまり地元のシェフたちの集まりです。リーダーの三輪信平さんは「小樽といえば寿司。観光客の皆さんは100%といっていいほど召し上がります。しかし、古くから栄えた港町なので、洋食が根付くのも全国でも早かったと聞いています。小樽や後志地域で洋食を食べたいと思ってもらえるようなメニューを開発しなくてはと考えていました」と言います。

このため、北海道が進める食クラスター事業において、司厨士協会のメンバーを中心に、ソムリエ、農業事業者や水産事業者、観光の専門家を加えた研究会を設立し、知恵を絞りました。

 

 「最初は、海の幸とトマトで赤いブイヤベース、ジャガイモと牛乳で白いブイヤベースということで試作を重ねました。港町の赤、山麓の白なんて呼び名も考えたんですが、どうも平凡で…。メンバーの中にフランスブルターニュ地方で修業をしたシェフがいまして、伝統料理のコトリアードをアレンジしてはどうかという話になりました」

 

でき上がったのは、写真(研究会提供)のような後志風のコトリアードです(右はテイクアウト用)。これをエリア内の参加店で提供し、将来は「これを食べにこちらに来てもらえるような名物に育てたい」ということで、基本ルールも定められました。要約すると次の通りです。

①ニンニク、玉ネギ、ポアローを炒めてシードルまたは白ワインを注ぎ、フュメ・ド・ポワソンを加える。そこに具材を加え、生クリームなどの乳製品で仕上げる。

②具材は後志近海の魚介類、魚介類すり身、後志の野菜、果物(加工品を含む)をそれぞれ1種類以上使用する。

③スープに使用する魚介類、野菜、シードルまたは白ワインは後志産、乳製品は北海道産とする。

④ヴィネグレットソースを添える。

⑤提供店で料理内容や提供方法にオリジナリティを加える。

ここまでたどり着くのにおよそ2年の歳月をかけました。そして、いよいよデビュー。国内外から多くの観光客が訪れる冬のイベント「小樽雪あかりの路」(今年は2月8日〜17日)の期間中に、フェアを開催することになりました。フェア参加店は10店。フェアが終わった後も、引き続き定番料理として提供する店が多いようです。

この「しりべしコトリアード」のルールには、各店のオリジナリティを出すとことが盛り込まれているので、店ごとに違った味わいを楽しめそうです。鍋仕立てにして提供する店もあるようです。また季節によって使われる魚介類も変化します。ニシンやサバなどの青魚も意外と合うとか。

 

というお話を聞いているうちに、試食用の料理が運ばれてきました。見た目はずいぶん違います。これも店ごとの個性なのでしょう。まずはスープをひと口。シードルをたっぷり使っているという説明通り、りんごの香りがフワッと広がります。具材はタラ、シャコ、ホタテ、ホッケのすり身、ジャガイモがおいしいハーモニーを奏でます。魚介類にヴィネグレットソースをかけると、また違う味わいになって、ケルナー種のワイン(小樽市にある北海道ワイン株式会社からの提供)によく合います。ちなみに試食用にはオマールも使われていますが、これは後志産ではなく、ブルターニュの雰囲気を出すために特別に使われたものだそうです。

昨今、大流行りのご当地グルメ。昔から食べられていたもの、新たにつくり出されたものなどいろいろですが、話題になると、人を呼び、活気を呼ぶことは間違いないようです。食にはそれだけのパワーがあるということです。「しりべしコトリアード」も、地域に根付いて大きなパワーを発揮してくれるよう、頑張ってほしいものです。

参加店など詳しい情報は「しりべしコトリアード」のホームページでお確かめください。

http://dosanko.docon.jp/shiribeshi-cotriade/