フードコーディネーター取材特派員NEWS

「東海の空の玄関セントレア(中部国際空港)から愛知の伝統を伝える」

中部

2013年3月8日

 

1. はじめに
2.  愛知の伝統野菜を取り入れたベジタブル・レストラン 「グレースフルキッチン」
3.  伝統食品「豆腐」を使ったロールケーキ販売 「味匠くすむら」×「農ブランド」
4. レシピ紹介 ~ 愛知の伝統を取り入れたスイーツ ~

1. はじめに
 2012年度愛知県の特派員として「伝統」をテーマに情報発信をしてきました。「伝統」とは世代を超えて受け継ぐことで、その力を発揮します。「伝統」には受け継ぐこととして守らない一面と時代に沿って変化、対応しなければならない一面をもっています。 今回は東海の空の玄関である中部国際空港セントレアから「食」にまつわる「伝統」の新しい取組について、愛知の伝統野菜を取り入れたベジタブル・レストラン「グレースフルキッチン」の古川氏へのインタビュー、伝統食品「豆腐」を使ったロールケーキをFARM SWEETS「農ブランド」の相川氏とコラボレーション販売した「昔づくり豆腐処 味匠くすむら」の柘植氏への対談を通してご紹介します。


(協力企業)
「グレースフルキッチン」 : 
「昔づくり豆腐処 味匠くすむら」 : http://www.kusumura.ooe.jp/
「農ブランド」 : http://www.nou-brand.com/

2. 愛知の伝統野菜を取り入れたベジタブル・レストラン「グレースフルキッチン」
 セントレアに今年2月にオープンした「グレースフルキッチン」は、愛知の伝統野菜を使用したメニューを月変わりでご提供されています。また国内の空港では初の“野菜のみを使ったレストラン”として、動物性である肉、魚、卵、乳製品を使わず、「料理法」「食材」「調味料」にもこだわり、栄養バランスまで細かに考えた身体に優しい料理を提供されています。

<愛知の伝統野菜>
 愛知県は古くから野菜づくりが盛んであり、そのため、尾張地域を中心に種や苗を育てて、農家に売る種苗業者が生まれました。彼らは知恵と技術を結集し、優れた品種を作り出して全国の野菜づくりに大きく貢献してきましたが、今では現在の野菜づくりの礎となった個性豊かな野菜を店頭で見ることは少なくなりました。これらの野菜を歴史的・文化的遺産として見つめるだけでなく、再び身近な野菜としてご利用してもらおうということで下記の条件を満たすモノを「愛知の伝統野菜」として指定しました。
  ①今から50年前には栽培されていたもの
  ②地名、人名がついているものなど愛知県に由来しているもの
  ③今でも種や苗があるもの
  ④種や生産物が手に入るもの
という4つの定義を満たす35品種が「愛知の伝統野菜」として選定されました。 
愛知の伝統野菜についてはコチラのサイトをご参考ください。
 http://www.pref.aichi.jp/engei/dentoyasai/index.html

<グレースフルキッチン代表 古川氏のインタビュー>
Q:「愛知の伝統野菜」使用したお店をオープンすることになったきっかけは何ですか?
 もともと“美味しいもの”と“歴史や文化”好き。歴史や文化というものは、工芸品や建造物だけではなく、とりわけ「食」の歴史や文化というものは、地域性が強く時間を重ねるごとに良さが感じられ、伝統としてうけつがれる。数多くの食べ物が氾濫する時代に「食の伝統=本物の食」をこのグレースフルキッチンを通してお客様に伝えたかった。「愛知の伝統野菜」に出会ったのも、今回「野菜のみを使用したベジタブル・レストラン」をオープンするにあたり「野菜」についての歴史や文化を調べたのがきっかけです。お料理を通してお客様に「その地の伝統野菜がある」という認識をしてほしい。そして身近な日常生活にある食の伝統や野菜食に興味をもってほしいと思っています。店舗の場所にセントレアを選んだ理由も“情報発信の場”そして“中部武将館との併設”とあり地域の歴史・文化と共鳴しやすいと考えたからです。

Q:実際に「伝統野菜」を取り扱ってみてどうですか?
 まず伝統野菜を生産している農家さんを訪ねました。伝統野菜は現在の量産型に形や大きさなどが適していないため、商業ベースに合わず、種類によっては生産者が1~2名と大変少ない伝統野菜があるのが現状です。そしてそのために生産しても、ほとんどが自給用に生産している程度。農家さんに今回の趣旨を説明し、それらを特別にわけていただくことを1件1件お願いしました。「伝統野菜」には普通の野菜もあれば、形が変わっていて味も現在のものと異なるものがあり、野菜の特色がより感じられるように思います。 伝統は継承されてこそ伝統となる。ほとんどの生産者さんは自宅用に栽培したりしているので特に広がる傾向がなかったり、広げようにも手段を知らなかったりする為、消えてしまうこと=野菜の食への関心が薄れるのではないか。と危機感を同時に感じ、自分がグレースフルキッチンにて愛知の伝統野菜をつかったお料理をお客様へ提供することで、伝統の継承へ一役担わなければならないと現在の自分の役割について強い使命感が芽生えました。

Q:お客さんの反応はどうですか?
 「肉にみたてないで肉をつかえば?」など野菜だけの料理を受け入れられないお客様もいらっしゃいました。それらは全て想定内であり「伝える」ということは一度だけでなく継続して伝え続けなければならないとさらに強く思っています。反対に、お肉が食べられないお子さんをもつ家族連れのお客様が「ハンバーグとピザ!」など嬉しそうにメニューをみて食べ物を選んでいる光景。ご家族の方には大変感謝されました。普通の光景だけれど僕にとってそれがすごく嬉しかったです。

Q:今後の展開などお聞かせください。
 セントレアという誰もが知っている場所柄、今後はレストラ営業だけではなく、生産者の方から直接消費者の方々に伝える場としてセミナーなどを開催し、コミュニケーションの場としても活用していきたいです。そして現在の取り組みを継続しながら、こうしたスタイルを他の地域でも広げていきたいとも考えています。

<グレースフルキッチン店舗紹介>
℡:0569-38-1492
住所:〒479-0881 愛知県常滑市セントレ1丁目1番地 旅客ターミナルビル1階
URL:

レストランお隣には愛知の歴史を伝える三英傑、徳川家康・織田信長・豊臣秀吉らの甲冑が展示されている「中部武将館」もあり、歴史的な合戦の屏風絵や火縄銃などを実際にみることが出来ます。そのほか甲冑を着用しての記念撮影やグッズの販売もされ、東海の歴史や伝統を十在に体験することも出来ます。

℡:0569-38-1492
住所:〒479-0881 愛知県常滑市セントレ1丁目1番地 旅客ターミナルビル1階 ウェルカムガーデン内
URL: http://www.centrair.jp/enjoy/event/jousetsu/samurai-lab/index.html



3.  伝統食品「豆腐」を使ったロールケーキ販売「味匠くすむら」×「農ブランド」

 今年で創業100年を迎える「昔づくり豆腐処 味匠くすむら」では厳選された国産大豆と苦汁(にがり)による、昔ながらの製法を頑固に遵守した手作り豆腐をご提供されています。また豆腐作りに最も大切な水は、清らかな木曽川の伏流水をもとにした井戸水を使うなど、どこまでも素材にこだわり創りだされる豆腐は、ほんのりと甘く、こくがあるのが特徴です。今回、「豆腐」使ったロールケーキを作るのはFARM SWEETS「農ブランド」。ロールケーキの材料は卵・小麦・牛乳。シンプルな材料だからこそ、農作物の盛んな地元愛知県産の卵・小麦・牛乳を使用しこだわったロールケーキを製造販売されています。

 

<農ブランド代表 相川氏とくすむら代表 柘植氏の対談>
山田 >今回、伝統食品である「豆腐」をスイーツの素材として使用することになったきっかけは何ですか?

柘植氏 >弊社は豆腐屋であり、その中で伝統的な食品である「豆腐」の良さをもっと多くの人々へ伝えたいという想いはずっと変わらず持ち続けています。その時代にあった形での伝統の伝え方として豆腐懐石料理を始め、そして現在は「スイーツ」を通してお客様に伝えるために「とうふスイーツくすむら」のブランドを立ち上げることになりました。これは私のスイーツ好きということもありますが、若い世代にもスイーツを通して「豆腐」に関心をもっていただけるのではないかと思っています。そこで出会ったのが素材にこだわったスイーツ作りされている「農ブランド」さんです。

相川氏 >そうなんですよ。私は、素材を全面に出したロールケーキ作りを突き詰めた結果、和の素材である大豆や豆腐に行きつき、ちょうど良いタイミングで「くすむら」さんと出会いました。単に豆腐をつかったロールケーキを作ったのでは、購入していただけるお客様に素材の重要性に気づいてもらいにくいが、「豆腐屋さんとのコラボレーション」という形であれば、お互いの拘りを通して素材の良さや伝統を伝えられる、お客様にもその意味に関心を持っていただけるのではないかと思いました。

山田 >伝統を受け継ぐスタイルについてはどのようにお考えですか?

柘植氏 >江戸時代の豆腐の料理本「豆腐百珍」では煮る、焼く、つぶすなど様々な調理法でも使える食材として「豆腐」が取り上げられ、とても人気を得たという歴史があります。豆腐には大きな可能性があるからこそ、伝統として受け継がれているのだと思います。私は豆腐屋としてその時代、時代で新しい提案をお客様にすることによって、今までの豆腐以上にフレッシュな感覚で豆腐をみてもらいたい。その結果、豆腐が受け継がれまた伝統となるのだと思います。

相川氏 >そうですね。「豆腐」は江戸時代、精進料理に多用されていたように、現代の人々にも健康的、ヘルシーなど人々が豆腐に持つイメージは良いですね。それをもっと伝えやすい形としてスイーツは最適だと思います。

山田 >今後、お二人の間での新しい取組などありましたら聞かせてください。

柘植氏 >現在、豆腐をつくる過程で生まれる「おから」は産業廃棄物として処理されています。これは今の時代にあった形ではないため、それを改善していく方向性を見出したいと模索しています。

相川氏 >まだ試作段階ですが、スイーツに「おから」を使用することで、素材にこだわるスイーツ作りを通してに環境に配慮することができるというスタイルを作っていきたいですね。

<セントレア店舗紹介>
「農ブランド 中部国際空港店」
 住所:愛知県常滑市セントレア1-1 旅客ターミナル3F

「農ブランド」のHPはコチラ→http://www.nou-brand.com/
「昔づくり豆腐処 味匠くすむら」のHPはコチラ→http://http://www.kusumura.ooe.jp/

4. レシピ紹介 ~ 愛知の伝統を取り入れたスイーツ ~
 今回、取材をさせていただいた「グレースフルキッチン」様で月替わりで提供されている愛知の伝統野菜を取り入れたメニューの4月メニューにおいて、私もフードコーディネーターとしてスイーツ「愛知の伝統野菜ファースト・トマトのゼリー」をレシピ提案させていただきました。そのレシピと「昔づくり豆腐処 味匠 くすむら」様の豆腐をよりスイーツを通して美味しくいただける「お豆腐のレア・チーズケーキ」のレシピをご紹介いたします。

<伝統野菜編>
「愛知の伝統野菜ファースト・トマトのゼリー」のレシピはコチラ(PDF)
「愛知の伝統野菜ファースト・トマトのゼリー」

<伝統食品編>
「お豆腐のレア・チーズケーキ」のレシピはコチラ(PDF)
→ 「お豆腐のレア・チーズケーキ」