フードコーディネーター取材特派員NEWS

~スイーツのトレンド、気になる傾向~

その他

2013年3月14日

「次に流行るものは何?」

このレポートを読まれるFCAJ会員の皆さまは、お仕事柄、この「トレンド」に敏感な方がとても多いと思います。

で、冒頭の質問。

私もよく良く聞かれる一言です。 即答できる時期もあれば、思わず「うーん」と唸ってしまうくらいトレンドが読みづらい時もあります。 特にスイーツは、ついこの前まで大行列していたかと思うと もう誰も並んでいない・・・という移り変わりが非常に激しく、 時代の荒波にもまれて残念ながらあまり見かけなくなってしまったスイーツが多々あるのも事実です。

 ・・・なんて、少々後ろ向きなスタートになってしまいすみません! 今回のレポートでは、今 気になるスイーツのトレンドと傾向について考えてみたいと思います。

ここ最近のスイーツトレンドを思い返してみると、マカロン、ロールケーキ、ドーナッツ、カップケーキ、 パンケーキ・・などなど、わりと素朴なスイーツが多かったですよね。 雑誌のタイトルなどを見ても、2010年頃は「おやつ菓子」というキーワードが多く見られました。また、パン屋さん発のお菓子や、焼き菓子専門店など「素朴系」もどんどん出てきた時代。景気の影響もあり、 素朴で馴染みのある「おやつ菓子」が一大トレンドになっていたのだと思われます。

 マカロン⇒フランス、ロールケーキ⇒日本独自、と、お菓子それぞれの“生まれ故郷”は様々。でも、全体を眺めてみると意外にもひとつの傾向が見えてきました。そのキーワードは、「アメリカ」ということ。コールドストーンのアイスも、クリスピークリームのドーナッツも、楽しいアイシングクッキーも、『SEX and the CITY』で一躍人気になったカラフルなカップケーキも、どれもアメリカンスイーツ。昨年、日本に再上陸した「シナボン」もまさにアメリカの味。今、ブームのパンケーキやポップコーンなどもアメリカからの上陸ですよね。

パンケーキ

パンケーキブームはまだまだ続いています

カラフルなアイシングクッキー

カラフルなアイシングクッキー

 この傾向は日本だけではなく、少し前からパリにも見られることに驚きました。スイーツの本場=パリ、という図式は今でも確固たるものですが、そんな食の都パリにもしっかりとアメリカンスイーツの流れが!ブラウニーやチーズケーキ、フローズンヨーグルト、またカラフルなカップケーキやおっきなアメリカンタイプのクッキーも、パリのあちこちで見られます。常に洗練されたセンスを感じる食のデパート「Bon Marche」でも、アメリカのお菓子「ウーピーパイ」やカップケーキが並んでいました。 でもそこはさすがパリ。カップケーキとはいえどことなく色やデザインの抑えが効いていて、アメリカのそれとはまたひと味違うセンスの良さがあります。 アメリカのお菓子=大きくて色が派手で甘い。こんなイメージを持っている方も多いと思いますが、それらが、ヨーロッパでまた少し違う“味付け”により変化し、人々に楽しまれるようになるのは興味深いトレンドです。

アメリカのスーパーに並ぶカップケーキ

アメリカのスーパーに並ぶカップケーキ。原色は当たり前!

真っ赤なカップケーキ

真っ赤なカップケーキ。いかにもアメリカらしい。

パリで見かけたカップケーキ

パリで見かけたカップケーキ。アメリカのものに比べると色味やデザインもどことなくシック。

アメリカの家庭的なお菓子、ウーピーパイ

アメリカの家庭的なお菓子、ウーピーパイ。アメリカ版どら焼きのような感じ?

Bon Marcheのウーピーパイ

パリ、Bon Marcheのウーピーパイ。(一部表面が剝がれてしまってごめんなさい・・・)アメリカのと比べるとオシャレなフランス菓子に変身!

 『今、アメリカに、発見あり!』(料理通信 2012年11月号)や、『“アメリカっぽい”が人気店のキーワード!?』(エルアターブル 2013年1月号)など、食のトレンド最前線を行くメディアでも、「アメリカ」というキーワードが多く見られるのがこのところの傾向です。それはスイーツだけではなく、いろいろなところで見られます。  例えばフードやドリンク。グリーンスムージーや、西海岸系のコーヒー・・・そして、一番驚くのは「ハンバーガー」がパリを始め世界のあちこちに飛び火?していること。お肉にこだわった高級なグルメバーガーに、パリっ子たちも行列するというからびっくりです。また、ファッションにおいてもアメリカンブランド、特に西海岸のトレンドは若い女の子たちを中心に人気があります。

グリーンスムージー

日本でも人気のグリーンスムージー

 以前に開催したチョコレート講座で、アメリカのチョコレートテイスティングをテーマにしたことがあります。「アメリカの味もアリじゃない?」という受入れ派と、「やっぱりヨーロッパのチョコがいい!」というヨーロッパ派に分かれ、賛否両論あってなかなか面白い結果となりました。ただ個人的には、スーパーに並ぶ板チョコの品揃えは日本以上に充実していて、新商品開発のヒントになるようなアイデアがあると思います。(とはいえ、その講座でご紹介したビーフジャーキー入りのチョコは不評でしたが!)  お料理に使うようなスパイスや食材を組み合わせたユニークなチョコレート、ブルックリンやサンフランシスコなどに見られる、カカオから自分でチョコレートを作るハンドクラフトの流れも、今後、個性的なチョコレートのひとつとして気になるキーワードになってくるのではないかと感じます。

 総じて、アメリカンスイーツの魅力って何だろう??って考えると、いい意味で適当さがあって肩に力が入っていない、自由で温かみがあるお菓子じゃないかなって思います。そこには必ず「家庭」や「ママの手作り」というキーワードや、宗教的な背景があり、また、脈々と続いている歴史や物語があります。アメリカンスイーツの代表選手“ブラウニー”も、ママの数だけ(もしくはそれ以上)レシピがあるというくらい。

blondie

茶色い「Browny」に対して、こちらはホワイトチョコを使った「Blondy」。こういうネーミングもいいなー。

 日本のみならず、原点とかシンプルさ、ほっとするお菓子が求められている今、飾り気はないけれど懐かしく温かみがあり、コンフォートフード、ソウルフードといえるようなアメリカンスイーツは引き続き注目していきたいジャンルです。もちろん、アメリカから来たものが全て流行るわけではないけれど、アメリカンスイーツ=甘くて大ざっぱ、という偏見(?)を抜きに見てみると、「ネクストブーム」に繋がるヒントがあるかも?という気がします。

コーヒーとマフィンは永遠の定番。こういった、コーヒーをおいしくしてくれる「コーヒーケーキ」も今後気になるキーワードです。