フードコーディネーター取材特派員NEWS

SWEET LOVE!! 横堀の甘~い恋!?

東北

2013年12月9日

7月に続いてまたまた秋田県の☆絶滅危惧お料理(^_-)☆についてお伝えいたします。

秋田県人はよくアピール下手の県民と言われます。寒い冬・雪の中、口を開くことが少なく、はっきり物事を言わない…そんなふうに雪のせいにされてマイナスなイメージをお持ちの方もいらっしゃるのかも?

でもね、そうでもないんですよ! 考えてることは深いし、愉快だし、優しいし、突拍子もないアイディアが出てきたりします。 約半年間の銀世界の中で、一気に訪れる 「春」 を待って、待って、待って… 「雪が溶けたら○○するんだ~」 「春になったら○○に行きた~い!!」  花や鳥や木々の息吹に心躍らせ噴火のごとく動き出します。 しばらくは、あったか~いコタツの中で良案を企てながら…フフフフフ(*^_^*)

さて、今回訪れたのは、秋田県最南東部に位置するR13とR108が交差する地点・湯沢市横堀地区。 創業1914年(大正3年) 来年で創業100年を迎える 「横堀鯉」の「菅八養鯉(ようり)場」 さん。

恋屋さんじゃありませんよ!お魚の「鯉」。 <甘煮> <アライ(刺身)> <たたき> などを作っているお店です。

お話をしてくださったのは、加工部主任でもある5代目の若奥さん。 「あれっ!? こんな可愛いお嫁ちゃんが、(言ってはなんですが)この昔ながらの古びた生臭そうな鯉屋さんに嫁いできたんだ~!?」 というのが初対面の感想でした。

子どもの頃の記憶として、鯉料理を食べるというのは特別なことでした。 結納や結婚式、お花見や敬老会、初節句祝い膳、年末年始といった節目に「ハレの象徴のお料理」でした。

「大晦日には鯉のアライ(刺身)買ってこないとな」 という父の言葉を覚えています。

妊娠出産時には、「栄養のあるおっぱいが沢山出るように!!」 と願いを込めて食べた記憶もあります。

ただし、昔から 【 少し高級な特別なハレの日の料理。普段の食卓には乗らないもの 】 が鯉料理です。

旧万石橋の下に「つづみ(堤からきていると思われる)」と呼ばれる生け簀があり、その年によって~百匹だったり~千匹だったりと養殖する鯉の数は調整されます。稚魚で仕入れ、成魚になるまでこの清らかな湯沢雄勝の水で育てられます。「両関」や「爛漫」などの清酒が作られていることからも水の美味しさはお墨付き。

鯉料理の多くはスーパーや街の魚屋さんで購入しますが、直接ご自宅に伺うと目の前で生きた鯉のアライをさばいてくださいます。ここのお宅、おもしろいことに生け簀の上に建てられているんです\(◎o◎)/!足元の床板をあげると鯉の泳いでいる生け簀が~!今の時期、枯れ葉などで水の循環が悪くなると鯉に酸素が行き渡らず弱ってしまうので、ホースで絶えず水の補給をしたりゴミが溜まらないよう除去したりと気遣いは多いそうです。

1週間分の鯉~百匹の泳いでいる自宅下の生け簀から、選ばれし1匹の鯉。生け捕られ、まな板の上に…小さい頃は勿論、今でもその光景を見るのは苦手ですが、それをさばいて料理してもらい「美味し~い!」 と言っていただいている私たちってなんなんでしょうね?

久々に「アライ作り」を見せていただきました。4代目の奥さん。これまた若々しくて綺麗!(毎日鯉を食べているから?) 手際の良さにビックリです(◎o◎) 生け簀から網で鯉をすくい、頭の部分をコテッ!! 3枚に下ろしてキリのような道具で押さえて皮を剥ぐ。 ものの何十秒?身を薄切りにスライスして温湯で洗い、冷水でしめる。

あまりの早技にカメラは追いつかず、苦手な光景どころか、感動の美しい作業に見とれてしまいました。「このきれいな横堀の水で稚魚から育てられた鯉だもの。美味しいに決まってるんだから!!」 さばいてくださった4代目の奥さんはきっぱりと誇らしげにおっしゃいました。

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鯉屋さんの朝は早いです。

【 午前- 甘煮作り 】

5:00~生きてる鯉を輪切りにさばく。1匹から5切れほど。

7:00~甘煮のたれで煮込むこと5時間

       なんと、酒やだし、水飴などは一切使わず、上白糖と地元こだわりの醤油のみの味付け。

       照りを出すために煮上げの最後が肝心。 

       大きな五徳が40台 直径55センチの鍋にマックス45切れの切り身を煮上げる。

     

年末にかけてはほとんど休むことなく毎日この作業が続きます。

【 午後- アライとたたき作り。 包装し、近隣の市場、スーパーへの配達 】   

13:00~「アライ作り

3枚に下ろした身を薄切りにし50~60℃の温湯で洗い、冷水でしめる。身のコリッコリッ感をのこすように仕上げるのが難しい。上手く仕上げられなかった時の表現として「 はねない 」という言葉がある。

      「 たたき作り 」

鯉の身をそぎ取り皮以外の残った部分を無駄なく美味しく食してもらうために「なめろう」「つみれ」となる。

 

 

 

加工部主任でもある若奥さんは意欲満々!!

「 今まで販売戦略らしきことを企ててきてないので、今こそアピールしていきたい!」

「 日常的に食べれるものとして、鯉離れを止めたい!」

「 鯉屋に嫁いできたのだから昔から伝わってきた伝統的な味を絶やしてはいけない。もっともっと子供にも年配の方にも美味しい鯉を食べてほしい。」

「 鯉料理を遺し、広めていく。 のびしろは まだまだあるはず!」 

と熱く語ってくれました。

確かに!! 【 少し高級な特別なハレの日の料理。普段の食卓には乗らないもの 】 が鯉のイメージですからね(ーー;)

① 販売箇所を増やす

   

スーパー、小売、市場 ⇒ JR・空港などのお土産品売り場、県産品販売のアンテナショップなどで県外への贈り物として位置付ける。

   

道の駅 … 既に味を知ってる年配者へ「思いだす懐かしい味」として、まだ食べたことのない子どもや若者へ「新しい味への気づき」として試食していただく。

② 形状を変える

    「甘煮」……1人分としての輪切り(腹内臓と身)が、量として多い。家族でも分けにくい

          ⇒ 3枚下ろしで一口サイズの「 ブツ切り甘煮 」を作る。骨もなく食べやすい。

         腹内臓を好む人、身を好む人と分かれる(腹内臓でも、卵と白子をそれぞれに好む人がいる。)

          ⇒部位によって別々にパック詰めする。

③ 食べ方の提案をする

   「たたき」…なめろうやつみれ汁が一般的だが臭みが苦手な人もいる。

         ⇒臭みをとるためにカレー粉、わさび、山椒などを加えて試作中。

          形状も変えて、子どもや高齢者向けにハンバーグとして。 「ふるさと給食」にも提供。

④ 新商品開発 

「ハタハタ寿し」 ならぬ 「 鯉の寿し 」 を 開発 ・ 販売中! 人参、ふのりなどが入って眼にも鮮やか。何より味付けが甘すぎず、生臭さが全くなくて美味し~い。 柔らかくてとっても食べやすいのです。

「 小野小町の里で育った横堀鯉。 中国では漢方薬としても扱われ、コラーゲンたっぷりで美容にもいい!  義祖父母は毎食食べてても飽きずに80歳過ぎても元気に働いてます!  アミノ酸も多くて美味しいし、血液を作ったり、肝臓に良かったり… 」 と、話は次から次へと。 5代目若奥さんのアピールネタは沢山(^◇^)  「 毎日継ぎ足されて旨味のいっぱい入ったこの煮汁で、商品開発できないかと… 」 またまた彼女の眼は輝きます。

ねっ! まんざら秋田県人も口下手ばかりではありません。こうやって若い世代が伝統食に価値を見つけ後世に遺すべきだと奮闘しています。 誘客を狙ってのぼりを作り、簡単なチラシやマップも作成予定とか。「 湯沢市横堀鯉屋の嫁っこブログ 」でも発信しています。

都市部の大手企業と違い、地方のパートさんを入れても10名足らずの会社ですが、想いは熱く、深く、未来を見つめています。

まだ、「 鯉の甘煮 」 召し上がったことのない方がいらしたら、お正月にお取り寄せはいかがでしょうか?

「 鯉のアライ(刺身) 」のお味は病みつきになりますよ(●^o^●)

「菅八養鯉場」連絡先

       秋田県湯沢市横堀白銀町28

       TEL;0183-52-2429

       FAX;0183-52-5278

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