フードコーディネーター取材特派員NEWS

都会レストランと地方農家の競演で極上料理~つなぐバトンは「安全・安心・おいしい野菜」~

近畿

2012年8月29日

 

 

大阪西天満、南森町駅から徒歩5分にある絶品イタリアンの店『Nogarazza(ノガラッツァ)』。こだわりぬいた新鮮な食材、無農薬野菜、有機野菜などを使って従来のイタリアンの枠にとらわれない料理の数々、そして、店内の窓からは、西天満公園の四季の移り変わりを見ながらゆったりとした気分で食事を楽しめる。

山田義輝シェフは、京都ブライトンホテルでフランス料理を学び、フランス、ドイツ、イタリアを5年間渡り、西梅田のモード・ディ・ポンテベッキオでシェフを3年間務め、2008年に独立して「Nogarazza」を立ち上げる。
お客様の健康を意識した、野菜たっぷりの料理は店の象徴だが、店内の雰囲気野菜にこだわるきっかけは、意外にも「Nogarazza」を立ち上げてから。知人に、京都・和束町の野菜を紹介してもらい、野菜のとりこに。サラリーマンやOLさんたちに「日頃の野菜不足を解消するため、「Nogarazza」の料理を毎日食べにくれば、健康になれる。料理に使う野菜の量は他店に比べると3倍は入れている。」とシェフは自負している。
週末は和束町に自ら出向く。和束町の野菜を使うのは、「おいしい」が1番の理由。それと、農家との出会いの中で、高齢化が進む現状を見て、「たくさんの野菜を使ってあげたい」という思いも生まれる。シェフ店内の窓から見える西天満公園の木々の料理への熱い気持ちと、人に対する優しい思いやりが、料理へのひらめきのエッセンスとなる。
シェフが野菜を選ぶ基準は、選ぶというよりは、「その時に畑にある野菜」…「旬の野菜」を使うこと。「自分がやりたいことだけを考えるのではなく、目の前の野菜がどうすれば美味しくなるのか、最大限に活かす方法を考える。」と話す。それは、高度な技術とセンスが必要とされる。こだわりの野菜を使う苦労をシェフに聞くと、「多くの人に食べてもらいたいと、料理を準備しても、来客が少なくて余ることがある。それ以外はない。」と力強く語る。こだわりの食材とシェフのスキルが合わさることで、旬をつめこんだ健康的なイタリアンという他店とはちがう圧倒的な付加価値をつけることができる。それこそが「Nogarazza」の真髄である。
野菜は端境期や天候などにより出荷が変動することもあり、こだわりの新鮮野菜を安定して提供するには、各地、数軒の農家をかかえておかなければならない。その農家のひとつに「宮﨑ふぁーむ」がある。取引のきっかけは、「Nogarazza」の熱烈なファンであるお客様からの紹介。生産コスト・労力がかかる完全無農薬栽培だが、シェフは「宮﨑ふぁーむ」に訪れ、野菜を試食し、丁寧に取り組んでいるご夫婦を見て、貴重な存在だと取引をはじめる。


『宮﨑ふぁーむ』は、大阪市内から車で1時間半程、兵庫県丹波市「有機の里」として知られる市島町にある。夫婦2人Iターンで、農薬や化学肥料を使わない・環境にやさしい・安全・安心な農業を実践している。ご主人、滋賀県出身の宮﨑徹さんは8年前に市島町に新規就農し、その後、大阪府出身の早織さんと結婚。結婚と同時に早織さんは、農家の仕事をすることになったが、それ以前はフードコーディネーター3級を取得し、フリーランスとして活躍。現在も豊富な知識を活かし、ご主人を支えている。
「宮﨑ふぁーむ」の安全・安心な野菜は「Nogarazza」だけでなく、他に数店舗と直接取引をしている。ご夫婦にレストランとの直接取引について話を聞く。
小売とはちがい、レストランと直接取引するメリットとして、
・個別包装をしなくてもよい。
・質は変わらずとも、袋詰めが出来ない、大きさが不揃いのものを販売できる。
・野菜の生産量・生産種類の現状を知って注文して、買い取ってくれる。
などがある。
デメリットとして、
・レストラン側の必要量の注文となるので、急激な売上増は見込めない。
「宮﨑ふぁーむ」は、始めた当初より生産品目は少なく絞りこんではいるが、基本的に少量多品目栽培。なので、単独種の野菜を大量受注は出来ない。「宮﨑ふぁーむ」の場合、おのずと、契約レストランは、30席前後の店舗としぼられる。売上を上げるには、この規模で、なおかつ、互いが信頼のおけるパートナーシップをとれる店舗の契約数を増やすことが必須。今後の農業経営を考えると、少量他品目栽培でいいのか、単独種の契約栽培がいいのか、日々、試行錯誤しながら模索中。
ただ、変わら山田シェフと宮﨑ふぁーむご夫妻ないのは、安全・安心・美味しい野菜を提供すること。
何より、直接取引することで、デメリットを上回る大きな魅力があると言う。「食を極めたプロからの注文は、成果が認められたようで、喜びと自信を持てる。」とご夫婦。自信がさらなる向上心につながり、農作業の明日への活力となる。

農家の苦労や喜び、それと畑や大地から宿ったエネルギーいっぱいの「宮﨑ふぁーむ」の
畑でのひもなす・皮がやわらかく、アクが少ない「ひもなす」


畑でのまるさやオクラ・やわらかく旨味のある「まるさやオクラ」

  を使った新メニューが「Nogarazza」に8月末~登場する。

★ひもなすと仔羊のムサカ風    ¥3,150 ひもなすと仔羊のムサカ風
なすは油と相性がいいのが定説だが、油を使わずに、ひもなすが持っている水分を活かし、食感をやわらかく仕上げるため、昆布などを使い蒸し焼きしている。丁寧に下ごしらえしたひもなすと、自家製のセミドライトマト、仔羊のロートロをあわせてセルで型抜きしている。下ごしらえで油を使用していないので、残暑厳しい夏仕様のあっさりとした仕上がり。とはいえ、ひもなすはクリーミーでねっとり感があり、さらに仔羊の脂の風味と甘みが際だち、濃厚感が味わえる。


 沼島産鱧と万願寺とうがらしとまるさやオクラのアーリオ・オーリオ★沼島産鱧と万願寺とうがらしとまるさやオクラのアーリオ・オーリオ    ¥2,310
とにかく万願寺とオクラがたっぷり。野菜の素材感がはっきりわかる。噛みしめていくと、鱧のだしが口の中で徐々に広がり、旨さであふれる。鱧と野菜をつないでいるのが、オクラ。オクラの粘りなくしてはこのパスタは成り立たない。さらに脇役がきゅうり。粗くおろしたきゅうりが後味をすっきりさせてくれる。



*ランチ:事前予約で新メニュー提供可。 *ディナー:アラカルトの一品として提供。事前予約でコースに組み込むことも可。

「旨さを引き出す頂点を見極め、また、その頂点を探し続けることが大事。食材のキャスティングが大事。」と熱く語るシェフ。シェフの下ごしらえには手間暇を惜しまない、創意あふれる五感に響く味と、厳選された野菜により実現された非凡な料理、キャスティングを是非体験してほしい。

『Nogarazza』
TEL/FAX 06-6363-5553
住所  大阪市北区西天満5-6-26 コーポイセマチビル
営業時間 ランチ…11:30~14:00(LO)   ディナー…18:00~21:00(LO)
定休日  毎週火曜日(月一回水曜日不定休)
座席数  カウンター3席  テーブル席10卓×2名(全席禁煙)
コース  ランチ…1,260円~     ディナー…5,500円~
http://www.nogarazza.net

『宮﨑ふぁーむ』
TEL/FAX 0795-85-1424
住所 兵庫県丹波市市島町上竹田2073
旬のおまかせ野菜セット5~7種類(送料込2,500円)
農業体験も可。要相談。
早織さん主宰の『のらくらキッチン』では、イベントなどで料理や野菜スイーツを提供している。 http://tnorariskurari.blog9.fc2.com/