フードコーディネーター取材特派員NEWS

これぞ、“食を伝える”真髄だ! ~ イートミー出版 ~

関東

2014年4月30日

 フードコーディネーターのみなさまは、いろんな場面で、“食を伝える”仕事をされていると思います。例えば、食文化を伝える、食の美味しさを伝える、食の安全性を伝える、食品の新商品の魅力を伝える、等々・・・。私は、とある書籍レーベルと出会ったことで、“食を伝える”ということ、そして、伝えたいことが“伝わる”ということについて、とても大切なことに気づかせていただきました。そんな、大切な気づきをくれた書籍レーベル『イートミー出版』をご紹介させていただきます。

◆“ナン”で、街中、インド料理店だらけ!?  
 ところで、「犬も歩けば棒にあたる!」ということわざがありますが、「街を歩けばインド料理店にあたる!」何でこんなにも急増しているのだろう??と感じているのは、僕だけでしょうか。あくまで定性的ではりますが、ここ10年くらい、街を歩いていて、新規オープンしたインド料理店を数多く目にしました。いわゆるカレー屋さんではありません。インド料理店です。これだけ目にするということは、おそらく、定量的なデータをとれば、確実に数字に表れているはずだろうと、インターネットを検索してみたところ、こんな記事をみつけました。ちょっと古いですが・・・。 『インド料理店 増えているって? ITビジネス、交流広げるエコノ探偵団(2011/12/12 7:00)』 (http://www.nikkei.com/article/DGXDZO37150680Z01C11A2W14000/
この記事によると、2011年3月時点で、インド料理店は全国に1443軒あり、4年前の5倍に急増しており、首都圏に限れば644軒で、全体の45%を占めているとのことです。ふむふむ、今年は、2014年。目に見えて変化に気づくということは、おそらく、この時点よりもますます増加していることでしょう。急増の理由としては、インド人IT技術者とその家族の増加や、日本人のインドへの海外旅行の増加、女性のヨガブーム、日本とインドの経済連携協定などが挙げられていました。おそらく、そのようなことが背景にあるのは確かでしょう。
 しかし、それだけでしょうか? それだけで、これほどまでにインド料理店が増えるのでしょうか?フードコーディネーターの皆様は、既にお気づきのことと思いますが、たとえブームがあったとしても、インド料理が、日本人の食生活に受け入れられ、食習慣として定着していけるものでなかったとしたら、一過性の流行に終わり、インド料理店は営業を継続していけないはずです。つまり、目の前でインド料理店がこれほどまでに増加している様子が見て伺えるということは、インド料理が、既に日本の食文化と融合し、既に、日本人の食生活の中に一定の普及、定着し、その普及がますます広まっている状態とらえるのが妥当でしょう。では、なぜ、インド料理が、それほどまでに、日本人の食生活に融合することができたのでしょうか?提供されている料理を思い浮かべてください。まずは、『カレー』が見られます。それも、バターチキンカレーのような、ちょっととろみのついたカレーが入った銀色の容器に入っています。そして、その横には、ふんわりかつ表面がパリッとした大きな『ナン』が大きな存在感で添えられている姿が思い浮かびませんか?日本で100年以上食べられてきている日本式のカレーは、とろみのある乳製品もたっぷり入ったまろやかなカレー、バターチキンカレーには、どことなく日本人の好むカレーの要素があります。また、今や日本人は、かなりのパン食好き国民で、カレーパンによりカレーとパンの組み合わせにも慣れ親しんでいることから、ナンとカレーを食べるスタイルも受け入れやすい背景があります。さらには、カレーライスとしてご飯と共に食する従来からの日本式のカレーとは明確に差別化でき、インド料理店で食べるシーンも明確にできている点から、ナンの存在による貢献はかなり大きいと思います。この“黄金コンビ”だったからこそ、インド料理が、日本人の食生活の中に定着できたのではないかと推測します。

◆えっ、本場インドでは、『ナン』は、地方の料理??
 そんな、日本のインド料理店に欠かせない存在のナンですが、じつは、本場インドでは、ごく一部の限られた地域でのみ食べられているもので、全てのインド人が日常的に食生活において食べているわけではないようなのです。というのも、ナンは、タンドールという窯で焼くのですが、その窯を使う食文化は北インドの一部地域のもので、また、北インドでもタンドールがある家庭は限られているとのことなのです。一方で南インドは、米をとろみの少ないカレーと混ぜあわせて食べる食文化であるといったように、日本で見られるインド料理店のメニューと実際のインドの食生活とは多くの相違点があるようなのです。このようなことは、インド料理にかぎらず、中華料理でも、フランス料理でも、イタリア料理でも同様にあり、我らが和食も、世界的な和食ブームの一方で、私たち日本人も、毎日、高級な懐石料理や寿司を食べているかのような世界的な誤解をされているのかもしれません。 このように、食は、さまざまな食文化を背景とする食生活の中に適応しながら定着していく特性上、必ずしも正しい情報が伝達されない場合もあります。料理レシピにおいても、簡便調理や、アレンジレシピが増加すればするほど、昔ながらの本来の調理手順は忘れられていくものです。ですから、私たちフードコーディネーターが食を提案する際にも、本来の姿をしっかりと把握した上で、本来の姿についてもあわせてきちんと情報発信しながら、アレンジされた姿を提案していくといったように、もっともっと情報の伝え方を工夫することも大切なのではなでしょうか。

◆カレーの伝道師 東京カリ~番長調理主任 水野仁輔氏  
 さて、そろそろ本題に入ります。前述の通り、『食』というものは、常に変化しています。一見ずっと変わっていないようでもさまざま環境下で変わっているものです。私は、以前、カレールウの製品開発に携わっていたこともあり、ここ数年でのインド料理店の急増やインド料理の普及について個人的にとても関心をもっていました。そんな中、数年前に、あるカレーの伝道師と出会いました。東京カリ~番長の調理主任としても有名な水野仁輔氏です。カレーに関する書籍やレシピ本を多数執筆されていますので、ご存知の方も多いと思います。その水野さんの自費出版の書籍レーベルが『イートミー出版』なのです。
<イートミー出版 ホームページ>
http://www.curry-book.com/

◆Do you know『イートミー出版』???

東京カリ~番長調理主任 水野仁輔氏の自主製作レーベル『イートミー出版』の書籍

◆インド料理をめぐる冒険
 『イートミー出版』は、カレーに関するかなりマニアックかつユニークな情報満載な書籍レーベルなのですが、その根底に、水野さんが、カレー料理人を取材し、料理人どうしのつながりをつくりあげていくきっかけとなった『めぐる文庫 インド料理をめぐる冒険』(非売品)というシリーズがあります。私は、水野さんと同郷かつ同じ高校の出身というご縁で知り合いましたが、最初にお会いした時に、昔、故郷にあった有名なカレー店「ボンベイ」のオーナーシェフ永田明史氏の店「ボンベイ庵」の1冊をいただきました。この『めぐる文庫 インド料理をめぐる冒険』シリーズには、心から感動し、“食を伝える”ということの真髄に気づかせてもらいました。

<インド料理をめぐる冒険 その11ボンベイ庵(非売品)>

かつて故郷の浜松にあった「ボンベイ」のオーナーシェフ永田明史氏の「ボンベイ庵」

 今や日本の国民食ともいえる『カレー』、お店によって料理の味も見た目も千差万別ならば、カレー料理人のこだわりも、もっと言うと、カレー料理人になったきっかけなど、料理人としてのルーツや、めざしているところも千差万別であり、それゆえに、有名なカレー店で長年愛され続けている看板メニューは、それを創り上げた料理人の人生そのものなのです。それゆえに、単なる目の前の人気メニューの味や見た目などの一般的なグルメ情報を紹介するだけでは、それを創りだした料理人がどのような思いを込めてその料理を創り出したのか、さらにその背景にどのような考えをもっているのかというところまでは伝わりません。しかし、長年にわたりたくさんの人に愛され続けている有名なカレー店やその店の看板メニューについては、必ず、愛され続ける理由があります。その店の魂が創り出す魅力があります。料理の背景までに思いをめぐらせることで、その店が何にこだわり続けてきているのか、これからも大切に守っていこうとしているものは何かを一緒に感じ取ることができるのではないかと思います。そして、それらの背景を合わせて情報発信していうことこそが、私たちフードコーディネーターが、食について何かを伝えていく上で大切な、“食を伝える”真髄なのではないかと強く感じました。これは、飲食店の紹介にかぎらず、郷土料理を紹介する上でその地域の食文化や歴史をとらえたり、農産物の安全性を伝える上で生産者の品種や栽培方法のこだわりをとらえたりすることも同様と思います。

 以下、イートミー出版の書籍を紹介いたします。どの本も、人と人のつながりが根底にあり、そのつながりから、真の情報を発信しています。どの書籍からも、“食を伝える”ことについて、とてもたくさんの気づきをいただきました。

◆LOVE INDIA

水野さんの「めぐる文庫 インド料理をめぐる冒険」がきっかけとなってつながった、インド料理店の日本人シェフの、日本人シェフによる、インド料理ファンのためのオリジナルレシピブック。

◆Labo India

「LOVE INDIA」から発展した、インド料理シェフが集合して特定テーマについて相互に情報交換しながら掘り下げる研究会の実施記録。インド料理シェフどうしの人と人のつながりが生み出す豊かな研究成果。

◆チャローインディア

インド料理に魅せられた男四人で結成された料理ユニット『東京スパイス番長』による、なんともユニークなインド旅行の記録。毎年テーマをもって旅をしている。 





2011年は、「本場インドのマトンカレーの肉は、ヒツジかヤギか?」なんと、インドで緊急突撃アンケート!! この着眼点と行動力には、インド人もびっくり!?

 そんな、『イートミー出版』にご興味・ご関心をもたれた方へ。ご近所の本屋さんではなかなか見かけることはないと思います。ご購入をご希望の際は、イートミー出版のホームページに、書籍ごとに購入できるお店や通信販売サイトの情報があります。

<イートミー出版ホームページ>
http://www.curry-book.com/

また、代官山の蔦屋書店には、イートミー出版以外の一般出版物も含め、水野仁輔さんの著書コーナーがありますよ。

「それでは、明日もまた、見てくれるかな???」

「イートミー~~~~!!!」(笑)\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/