フードコーディネーター取材特派員NEWS

食の世界での責務と期待~町の酒屋さんからこだわりの酒店へ~

関東

2014年5月1日

海外では和食(日本食)ブームが到来して久しくなります。 ヘルシーさや繊細な味わい・盛り付けなど魅了し続けています。 2013年12月、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。 食材や料理、さまざまな視点で海外から注目を浴びています。 そんな和食を引き立てる・癒す・和ませる、「おもてなしの場の大事な役割を担っているお酒」を大切に扱い経営をされている方にお話をうかがいました。

 

■変遷

1982年足立区綾瀬に創業し、経営を二代目として引き継いだ「松屋」の松原さん。 創業当初は町の酒屋さんでしたが、1980年代から1990年代にかけて酒類販売の規制緩和もあり、CVSやスーパーでも酒類が販売され、経営の方向性を迫られました。そこで、店に付加価値を付け、「こだわりの酒店」「酒の専門店」を目指すようになり、ご本人の「お酒が好きだから」の信念のもと、いまでは地域でかかせない酒店になりました。

 

■こだわり

日本酒・ワインをメインに焼酎・世界のお酒を約200種類扱っています。

NB品は一切扱わず、直接蔵元さんやインポーターとのやりとりをしつつ、店の経営をおこなうこだわり。

そんなこだわりがお店のカラーにも出ています。

 

 

 

・蔵元さんまで足を運ぶ

仕入れ先は小さな蔵元さんが多く、足しげく蔵元さんに通い、折衝だけではなく、その年の”実り状況”など会話や五感によって感触を得ています。それを顧客対応に反映しています。

「辛口のお酒を」という依頼にこちらを勧めてくださいました。

 「谷川岳」、“一意専心”という文字が記されたラベル(画像)。

この蔵元さんの若い杜氏が初めてすべてを手掛けた記念すべき数少ないロットです。酒造りのすべての工程を指揮する「杜氏」ならではの意気込みや杜氏の未来も私たちにつなぐ「松屋」さん。

 

 

 

・ラム酒の原料製法による違い

「お菓子を作るためのラム酒を」というオーダーに、試飲付きで教えてくださいました。

  画像は、アグリコール製法のラム酒。

サトウキビのしぼり汁から砂糖を精製せず直接原料とする手間のかかった製法。別製法のインダストリアルは工業製品も多々。風味や舌触り、違いなど、遠いカリブ海で作られたラム酒を末端の私たちに臨場感たっぷりに伝えてくれます。

貴重な話が瓶ごとに飛び出してきました。お客様の視野を広げてくれる提案ばかりです。

 

 

■つなぐ

「おもてなしの場の大事な役割を担っているお酒」、松原さんご自身も生産者と消費者をつなぐ大事な役割を担ってます。

・人と「つなぐ」~コミュニケーション~

 営業時間15時~24時30分。経験値でこの時間帯の営業となったそうです。 取材中もひっきりなしにお客様。「ワインパーティーをするんだけど、どれがいい?」「父に合うもの、選んで」「頼んでおいたのは入荷したかな」など、常連さんも多く、投げかけも多種多様。期待を越えるアドバイスでお客様も満足そう。

 

・料理(食材)と「つなぐ」

料理(食材)とお酒の相性についても教えてくれました。

和食(日本食)ブームの代表格とも言える最近も話題の「お寿司」。「寿司ネタの魚種より醤油との相性が大事。無難な種類は本醸造。吟醸香が特徴の線の細いお酒はあまりおすすめできません。料理の温度とお酒のタイプを合わせる手法もあります。」

 

料理をおいしくいただくため、丹精こめたお酒をおいしくいただくため、人と人を「つなぐ」ため、町の酒屋は今、まさに「こだわりの酒店」として日本と世界をつなぎ、広く深く食の世界での責務と期待を担っていると感じました。

 

【ご協力いただいた方】

店舗名「綾瀬 松屋」

 有限会社 松屋  松原利和さん

東京都足立区綾瀬3-1-26

電話03-3629-6761

 http://ayasematsu.exblog.JP/

 

以上