フードコーディネーター取材特派員NEWS

横須賀「本まぐろ直売所」繁盛のポイント!

関東

2014年9月1日

今回は好調な売上を続け、8月のお盆の時期は連日15時には完売という神奈川県横須賀の「本まぐろ直売所」さんの繁盛のポイントについて紹介をさせて頂きます。

まず、まぐろについての基礎知識から紹介しましょう。
まぐろは、餌を付けた綱を繋げて張っていく「はえ縄漁法」という方法で、太平洋、インド洋、大西洋等の遠洋で漁獲されます。
船に上げられたまぐろはすぐさま、ひれ、えら、内臓を取り除き1時間以内に急速冷凍されマイナス60度の状態になり、日本各地の漁港に運ばれます。

店舗裏の超低温倉庫に保管されているマグロ

 

皆さんは、スーパーで買ったまぐろより、漁港等で食べたまぐろの方が美味しいと感じた事はありませんか?

 

スーパー等市中の小売店に並ぶまぐろは、先ほどの漁港に陸揚げされた後、漁協や複数の仲買人の倉庫を移動し店頭に並びます。その移動中に保冷車や倉庫が変わるなかでマイナス60度の状態を維持することが難しく、その温度変化で品質が変化し、色や味に差が出てしまうのです。

ここで、話を冒頭の「本まぐろ直売所」に戻しましょう。

同店は2008年12月にまぐろ専門の卸を生業とする会社の小売別会社としてオープンしました。まぐろの町として有名な三崎漁港とは30分ほど離れた横須賀市長坂の国道134号線沿いにあります。

いかにしてお客様を集め、売り切っているのかを紹介しましょう。

「品質保持の環境」
店舗のすぐ裏には関連会社がまぐろ船から直接買い付けたマグロを保存する超低温保管庫があります。そこから必要に応じてカチカチに凍った木の板の様な状態で店頭に並べています。この最短動線が洋上のマイナス60度の状態をキープしたまま店頭に並べる事が出来ているのです。

「品揃えによる専門性のアピール」
本まぐろ、インドまぐろ、目鉢まぐろの大トロ、中トロ、赤身に、ビンチョウまぐろ、メカジキマグロの切り身のほか、カマ、心臓、背肉、頭身、ほほ肉、目玉等の希少部位も扱い専門性の高さが魅力となっています。遠方は東京湾フェリーを使い千葉のお客様もいらっしゃるそうです。

マグロ解体図

「売り方の工夫」

年末になるとまぐろブロックを販売する映像を見たことがあるかと思いますが、ここでは柵の扱いが主です。昨今の家族構成に沿って少人数の家庭でも買いやすいように1つずつ価格が明記された柵にしているのです。そのほか、角切り、すき身等に加工され、客単価アップに繋げています。

また、すぐに食べられるよう、数量限定のかなりお得な切り落とし(800円)を準備し集客の目玉商品としているところも魅力のひとつです。そのほか、お土産用や、季節に応じた贈答用のまぐろセット(3500円~)を準備し、昨年の年末には1000セット以上を売り上げたとのことです。

「販売促進策」

いくら良い商品を取りそろえても、お客様に知って頂かなくては集客には繋がりません。同店は三崎に繋がる国道沿いにあるため、大型のロードサイン、店頭看板、のぼり類による賑わいの演出、駐車場の確保と、知ってもらう、来てもらうための準備が整えられています。また、数年前から始めた地域折込紙の他、バス広告、京急電車の窓張り広告等を活用し今後一層広範囲からの集客に繋げる戦略も着々と進められていました。

 

「接客によるまぐろの美味しさのご紹介」

店長の安部さんは「本まぐろ直売所」で初めて小売の現場に立ち、オープン当初は何をどうしていいのか分らないと日々悩み続けたそうです。そのような中、頼れるスタッフと力を合わせながら、一人ひとりのお客様にまぐろの美味しい食べ方を説明し、丁寧に接客をして行こうと毎朝話し合っているそうです。

私もこの「本まぐろ直売所」の大ファンで度々購入していますが、教えて頂いた解凍の仕方を実践すると、鮮やかな赤身にピンクのトロの部分がとても美しい状態で解凍されます。その上質なトロの身はワサビの辛味を消し去ってしまうほどに濃厚で、ここでまぐろを買うともう他ではまぐろは買えません。

 

最後に・・・
来店客の割合を見ると、新規顧客5割、リピート5割のお客様をつかまえているそうです。この割合からも1度購入するとかなりの割合でリピータになっていることが分ります。

この店を取材し、商売繁盛にはいくつかのポイントが見えてきます。①自信を持ってお客様に勧めることができる商品を並べている、②お客様の家族構成に会う買いやすいような売り方を工夫している、③「本まぐろ直売所」の良さを知って頂くための広告戦略や、季節に応じたイベント等の工夫を怠らない等、常にお客様のためにと思う「商い」の基本にまじめに取組んでいることが一番重要なことだと改めて思いました。

土・日・月の3日間の営業ですが、お近くにお立ちよりの際は是非足をお運びください。お勧めです!

http://www5.ocn.ne.jp/~honmagro/