フードコーディネーター取材特派員NEWS

「昆布-KONBU-にまつわるエトセトラ」

北海道

2014年12月22日

「和食」がユネスコの無形文化遺産へ登録され、2014年12月で1年が経ちました。 私も、色々な現場で、和食の素晴らしさを語り聞くことが多くなったと思います。 そして、必ず、話題にあがるのは、昆布の話です。 何故なら、昆布の”ダシのうま味”こそが、和食の基本要素だからです。

関西の方々には、昆布なしでは、和食は語れんと言われる程、重宝がられております。 北海道には、函館の真昆布以外にも、利尻や日高、羅臼など産地があります。 真昆布が最高級とされますが、用途によって、向き不向きがあります。 ですから、すべての昆布が和食文化にとって、重要な食材と考えます。

今回は、昆布ダシの取り方を、最初に紹介します。何故かと言うと、”ダシの取り方を、知らない”という方に、多く出合うためです。若い世代は、ほぼ昆布をもらっても使い方がわからないのが現状です。

※色々なダシの取り方がありますので、あくまで一例です。昆布と鰹節だと、もっとダシのうま味が増します。

固く絞ったぬれ布巾で両面をサッと拭き、ハサミで適当な大きさに切ります。 水に昆布を浸けます。夏場は1~4時間、冬場は3~4時間。※急ぎの場合は、30分でもOK

水に昆布をいれたまま火にかけます。 沸騰直前に火を止めて、3分後位に取り出します。もしくは、沸騰直前に鍋の側面や昆布に泡が出てきたあたりで引き上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今回は、「昆布にまつわるエトセトラ」と題して、

昆布に携わる方々の取り組みについて紹介します。昆布の故郷・函館では、生産者や加工業者、料理人、学者など、さまざまな立場の方々が昆布に携わっております。

ご紹介するのが、伝統的な昆布加工を守り続ける「梶原昆布店」です。

「梶原昆布店(屋号:マルシチ)」は、”おぼろ昆布”と”がごめ昆布”を作っています。

梶原昆布店の屋号は、”円”の中に漢字で”七”

おぼろ昆布とがごめ昆布

 

 

 

 

 

 

 

ここでは、函館の天然・がごめ昆布だけを使い、調味料を一切使用せず、昔ながらの製法で、昆布加工を実践しています。特に圧巻なのが、特殊な包丁1本で、がごめ昆布を削る技です。

“京派削り”という技で、足元から手元に向かって小刻みに刃を上下させていきます。職人が1枚1枚丹念にかんなをかけるような感じで、昆布を薄く削っていきます。おぼろ昆布の薄さは100分の1ミリ。それは、新聞紙の上に置くと透けて文字がハッキリ見えるくらいの薄さです。

特製包丁で「シュッ、シュッ」とがごめ昆布の正面を削る、梶原社長

波打つ様な見た目が特徴の京派削り/暖簾のようにも見えます

昆布を削る包丁(5~6枚の昆布を削るだけで包丁の刃を研がないといけない)

左端は、削られたがごめ昆布で、白い芯が見えます。右2つは、削る前

薄い昆布が暖簾状につながっているのが特徴

“京派削り”という技法で削られたおぼろ昆布は、薄い昆布が暖簾状につながっているのが特徴となっている。このためサッとちぎれて食べやすく、とろけるような舌触りが自慢です。ちなみに”京派削り”で、おぼろ昆布を作れるのは、日本で唯一、梶原昆布店のみです。

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今回の取材の最後に…真昆布のダシで、おぼろ昆布、とろろ昆布をしゃぶしゃぶにして堪能しました。さらに、道南のたまふくら大豆で作ったお豆富を入れ、湯豆富にして食べたのですが、まさにダシのうま味だけで、和食の味わいを存分に堪能できました。

真昆布のダシで、おぼろ昆布、とろろ昆布、たまふくら豆腐を堪能!

特製しゃぶしゃぶ用のおぼろ昆布、とろろ昆布 ※梶原昆布店のご協力にて

 

 

 

 

 

 

【材料】真昆布1枚 カットして20gぐらい / たまふくら豆腐 1丁 / おぼろ昆布、とろろ昆布(梶原昆布店) / 昆布ポン酢(付けタレ) 適量

この料理の原料は、函館産の真昆布とがごめ昆布を使用しています。余計な調味料は、一切不使用ですので、食材の本来の味わいを堪能することができます。非常に優しい味わいと深いうま味を感じることができます。

近年、海藻に含まれる成分の健康効果が期待され、北海道大学のご協力もあり、さまざまな商品への応用開発が進んでいます。昆布の故郷、函館においては、これからも日本の和食文化を支えるという誇りと自覚をもって、虚心に歩んで欲しいと願っています。

<取材協力>——————————————–

・梶原昆布店 代表取締役 梶原健司

・北海道大学 安井肇博士

・函館がごめ昆布連合 布村重樹代表

・能戸フーズ株式会社 代表取締役 能戸圭恵

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