フードコーディネーター取材特派員NEWS

”AEDAN 叡伝” アイディアが形となれる街に住み‥La Cocina

その他

2015年1月14日

11月からサンフランシスコは雨季に入ります。  カリフォルニア州は、干ばつ宣言しているほど乾ききった大地だったところに今度は連日の雨続きで小さな土砂くづれや冠水の被害が続出です。

 

市内で最も古いエリアのミッション地区は、ヒスパニック系の人たちが多く住んでいます。 家賃も手頃な場所だったのですが、リーマンショック以降シリコンバレーのITエンジニアが移り住み、比較的若い高収入の住民が一気に増え始めてきています。  以前から住んでいる家族形態の住民と最近住み始めた一人暮らし住民と渾然一体となったおかげで様々なトレンド発信地となっている地区なのです。

 

 そんなエリアの端っこにスペイン語で台所という意味の La Cocina(ラ・コシーナ)” と壁に書かれている建物。  住宅地の間にひっそりとした佇まい。

 

 中へお邪魔してみました。

広くて明るく機能的なコマーシャルキッチン。

 

調理器具 全てが整理整頓された清潔な厨房

 洗い場もゴミひとつなく実に清々しい。

 

 冷凍、冷蔵庫前に温度管理のパネルがありスペイン語でも表記されている。

 温度計の脇にはスパンサーの地元企業名がチラリ。

 

消毒剤や分別リサイクル方法は、英語、スペイン語、写真でも表記されていて言語を問わず見れば必ず理解できるように表記されています。  そしてこのキッチンでは何組かのメキシコ系のグループがそれぞれ別の料理をしていました。  あるグループはパンのような物をあるグループはソースのような物、そして大きな鍋で何かを煮込んでいるグループもありました。  共同キッチンなのです。

 

『La Cocina(ラ・コシーナ)』は、2005年に設立した非営利団体。  女性のフードビジネス起業家の育成に特化して起業養成の活動をしています。  フード業界特有のテクニックの指導、資金調達の相談、手続きお手伝い、法律問題の助言、格安な値段での厨房貸し出し、販路への導きなどしています。 パパママ商店を現実的なものとする為の活動をしています。  移民の多いカリフォルニア、特にヒスパニック系の移民の方が多く低所得ヒスパニック系の女性を支援しようというのが根底にありました。  また富裕層や高学歴、学識者も多く、アイディアと資金が隣同士に生活をしているような場所なのです。

 

さて‥。

 

アメリカ人ご主人とサンフランシスコに引っ越してきた日本人女性マリ子さんは、お姉ちゃんと弟くんの二人のママでもあります。  アメリカの学校では日頃からPTAを含め様々なイベントや活動をするのですが、2010年の震災の際、募金活動に一巻でクラスで何かを売ってお金を集めようという事になりました。  親子で ”味噌おにぎり” を作ることに決めました。  ”味噌(Miso)” を含め日本食には馴染みのあるエリアでもあり ”おにぎり” は簡単に作れる食べ物で、小学生なら自分でも作ることのできる料理。  意外に評判を呼んだそうです。  また、マリ子さんはおにぎりを作っている中 ”炊き出し” の話しを子供達に聞かせながら、冷蔵庫に目をやると電気がなければこれも使えないのかと悲しくなったそうです。

冷蔵庫のいらない食べ物って‥ 手についているお味噌!

 

 

さて、ここからLa Cocinaへ繋がっていくわけですが、日本人ママ友にアイディアを言ってみたところ ”面白そう〜☆” と皆、協力を申し出てくれたのですが、問題はどんな方法です。  日本では舞台女優として20年以上のキャリアのまり子さんも起業となると全くの素人、ご主人もフラワーチルドレンのヒッピー世代。   八方塞がりの中、ママ友の一人がラコシーナを見つけてきたそうです。

そして次は、アイディアをまとめ採用されるかどうかなのですが、申込書に記入して面接を受けて合格・不合格を待つ。  ここで日本人が外国人に比べて不利なのは基本的になプレゼンテーション力。  しかし、この時ほど女優だった事が、役に立ったことはなかったそうで、並みいるライバルの中から見事に勝ち取ることができたのです。  日本独特の食材で健康的で使うことによって食材の美味さが増して、時間がかかるけど基本には簡単に作れ持続性がある!  塩麹、お味噌、甘酒、濁酒キット、三五八漬けの素などの発酵食品製造販売屋さんの誕生でした。  企業名は息子さんの名前をそのまま ”AEDAN(エイデン・叡伝)” としました。

起業資金がなくても商業用厨房がなくてもアイディアがあればサポートしてくれる環境がこのサンフランシスコにはあるんですね。  設立以来ここを巣立っていったビジネスオーナー達は19グループ、中には断熱せざるを得ないグループもありましたが、カフェ、オンライン販売、スーパーへの卸など活躍の場を築いています。

 

 

 サンフランシスコ ”食の聖地” フェリービルディング内、La Cocinaの売店(kiosk)に週一度お味噌、塩麹を販売。  市内のファーマーズマーケットにも出店中。

 

 

夢や希望、新しい生活、人生、一攫千金、あるいは脱出?!  様々な理由でここにやって来た私達。  異国の地での生計を立てようとしても文化、習慣、法律、いろんな問題が発生します。  自分の夢やゴールが叶わない事の方が多いかもしれない。  特に女性は、生活や子育てに追われ諦めざるをえなかったりするけれど、導きがあれば越えられて生業として続けらる。

 

 

 

メキシコの肝っ玉母さん達の中で華奢なマリ子さんは今日も麹に語りかけてる。

美味しくなぁ〜れ♡