フードコーディネーター取材特派員NEWS

神奈川郷土料理のレシピ集作成に参加して

関東

2015年3月10日

神奈川郷土料理のレシピ集作成に参加して

 

フードコーディネーターとして、「咲き続けよう元気なかながわ」と題した郷土料理のレシピ集の作成に参加いたしましたのでその様子を紹介させていただきます。
神奈川は東京のとなり、横浜、川崎、相模原と3つの政令指定都市を抱え、中でも横浜は370万人の人口を抱える一大都市である。神奈川県の「健康寿命」と「平均寿命」を見てみよう。

 

男性

女性

健康寿命

70.9歳(全国12位)

74.36歳(全国13位)

平均寿命

80.36歳(全国4位)

86.74歳(全国31位)

H24年度 厚生労働科学研究調査より

神奈川県は全国でも比較的健康寿命が高く健康的に過ごせる環境が整っている地域だが、平均寿命と比較すると10年強は病を抱えた期間を送る事が予測される事がわかる。

今回は神奈川県商工会管轄地域の郷土料理の掘り起しと共に地域の散策コースなどを紹介し健康寿命を延ばす事を目的としたレシピ集作成事業への参加である。

 

まず、初めに商工会地域の説明から始めよう。

各都道府県では、事業の発展や地域の発展を目的として、市の区域を管轄する商工会議所と町村区域を管轄する商工会に分けられ事業を支援している。

 

神奈川県の商工会の管轄地域は、神奈川県の西に位置する山北や南足柄、伊豆半島の東付け根に位置する湯河原、真鶴、湘南の海に面する逗子、葉山、大磯、県央の寒川、座間、山梨や東京と接する相模湖、藤野等様々な気候風土を持つ地域が広がっている。

今回のプロジェクトメンバーは各商工会の女性部である。各地で受け継がれて来た郷土料理を集めるところから始まった。

 

神奈川県の西部、東京都や山梨に接した部分は、特に古くから小麦の生産が盛んで「にごみうどん」「酒饅頭」「かんこ焼」などの小麦の食文化が残る地域である。

相模湾に面した海沿いの地区からは漁師料理の「鯵のまご茶漬け」、「さば汁」、「うずわ(ソウダカツオ)のおむすび」が、また、県央地区からは、地産農産品の野菜を入れた「かて飯」、寒川神社の行事に合わせて食した「おこと汁」等々。

郷土色豊かに地場の特産品を使ったり、歴史や神社仏閣と共に育まれた多彩な料理が掘り起こされて来た。

下記にごく一部を紹介させて頂く。

 

南足柄地区「煮団子汁」

津久井地区「かんこ焼」

 

今回のプロジェクトが無ければ、各商工会の女性部のメンバーでさえ、知らなかった料理が沢山出てきた。

 

日本は、世界でも有数の長寿国である。その理由は食文化と共に有ると言っても過言ではない。しかし、核家族化、単身世帯数の増加が報道されて久しく、最近は特に、世帯の変化と共に私達の身体を健康を支えている「食」もあっというまに「便利」に「お手軽」にと変化してしまっている。

 

このままでは、各々の地域に根差し、各家庭で培われて来たいわゆる「お袋の味」「郷土料理」が消滅しかねない危機感さえ感じている。

東京のとなり、神奈川県と言うと横浜、川崎との印象が強いだろうが、県下商工会地区には、こんなにもたくさんの食文化が眠っていることが分った。

 

家庭における「食」の場は季節に応じた地域ならではの「恵」を頂く場であるとともに、「健康な身体を作る場」でもある。家族世帯も単身世帯でも自らの健康寿命を延ばすため、楽しい人生を送るためにも「食」に対する意識を今一度見直す時期に来ているのではないだろうか。
今回の事業に参加し、人生の先輩の方々から沢山の食にまつわる話を聞く事が出来た。このレシピ集にも歴史と料理の由来や地域の見どころ等、各地に埋もれかねない情報を掲載されている。手作り感満載の冊子である。

 

何度も会合を開き、皆で意見を持ち寄って一時はどうなるかと思ったこともあったが、フードコーディネーター特派員として、今、何を発信し続ける事が出来るか、非常に勉強になったプロジェクトだった。