愛媛県の食情報(3)

日本フードコーディネーター協会理事の関原雅人です。
3回目は、愛媛県と言えば「みかん」と答えが返ってくる「柑橘」についてのお話しです。
こたつでみかんという冬のイメージがありましたが、愛媛に来てから一年中、柑橘があるのに驚きました。

わたしが生まれ育った大阪では和歌山のみかんを食べ、子どもの頃は母方の実家の愛知に行くと静岡のみかんを食べていました。
新卒時に福岡勤務となった際は、佐賀や熊本のみかんを食べていました。
生活の中にみかんがあるものの、愛媛に来るまではそこまで「みかん」を意識することはありませんでした。
まして愛媛県の家庭は蛇口からみかんジュースが出るなんて知りませんでした。

もちろん都市伝説です。
わたしが住んでいる家の蛇口からは出ません。
松山空港やイベント催事などで、みかんジュースのでる蛇口が出現することはあります。
一度体験してみてください。

愛媛県内の柑橘は、山間部や沿岸部に多く、急斜面で日当たりのよい、潮風の通るところでも盛んに栽培されております。
愛媛県のかんきつ類は品目数で40あります。温州みかんが1、中晩柑類が39です。
夏みかん、ネーブル、伊予柑(いよかん)、八朔(はっさく)などが品目に含まれています。県独自の統計調査の品目数では47品目となるそうです。

9月中旬になると温州みかんの出荷がはじまります。
この頃の温州みかんは「極早生(ごくわせ)みかん」と呼ばれ、11月ぐらいから「早生(わせ)みかん」と呼ばれ出荷されます。
同じ温州みかんです。
今は極早生みかんが売り場に並びはじめています。まだ緑色で少し黄みがある状態です。
緑色のため酸っぱいのかなと思いますが、糖度もあり甘さも十分ありますよ。
少し酸味のある極早生、早生が好きという方もいらっしゃいます。

愛媛県では、ほぼ1年を通して柑橘が出荷されております。
下表は愛媛県庁が出している「食べ頃カレンダー」です。
温州みかんから出荷がはじまり、はれひめ、いよかん、ぽんかん、デコポン、はるみ、せとか、と続いていきます。
愛媛のオリジナル品種「紅まどんな®」、「甘平」、「紅プリンセス®」も11月下旬から出荷されます。
紅まどんな®は百貨店などで目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ゼリーのような口あたりです。

(出典:カレンダー 愛媛県庁 農林水産部農産園芸課)

全国主産県のかんきつ産出額(売上額)の推移は、令和3年で愛媛県が1位、2位和歌山県、3位静岡県になっています。
愛媛県と和歌山県は表年、裏年で栽培量の変動もあり、算出額が変動いたします。
愛媛県や和歌山県、静岡県は美味しいかんきつの生産に取り組んでいます。
地域毎でみかんの食べ比べができるのも楽しみですね。
皆さん「うちのみかんが一番美味しい」といいます。

(出典:推移表 愛媛県庁 農林水産部農産園芸課)

愛媛県内のみかんに関するイベントは、ダルメイン世界マーマレードアワード&フェスティバル日本大会が、愛媛県八幡浜市で開催されております。
さまざまな柑橘を使ったマーマレードが出品されています。
また道の駅等ではジャム、マーマレード以外にも、柑橘ジュースやゼリーがたくさん陳列されています。
これから秋から春先まで愛媛県は柑橘の収穫時期に入り、多品種を目にする機会になってきます。
道の駅などでは生産者さんから持ち込まれたさまざまな柑橘が販売されます。
ぜひ愛媛県で柑橘の食べ歩きを楽しんでいただきたいですね。

全3回を通じて、愛媛県の食情報をお伝えしてきました。
愛媛の食べ歩きに興味をもっていただけると幸いです。
これから寒くなりますので、道の駅でみかんを買い込み、道後温泉につかって宿でひと息、手が黄色くなるまで、みかんの皮を剥くのもよいものです。

図表出典先:愛媛県庁 農林水産部農産園芸課
●愛媛のかんきつ食べ頃カレンダー

https://www.pref.ehime.jp/h35500/00004/index.html

●かんきつ類の統計

https://www.pref.ehime.jp/h35500/kankitsu/toukei.html