売上を上げるメニューブックとは?(3)

第3回目 実践編

日本フードコーディネーター協会理事の水谷です。
今回はメニューブック作成の実践編の3回目になります。
前回は、ラフに写真(Ph)の配置をしましたね。
今回は仕上げまでをお伝えします。

3.写真(Ph)を配置したラフへさらに具体的に書き込みます
1)カテゴリー名を記載しましょう!
各カテゴリーが一目でわかるようにメニュー名よりもフォントを 大きくまたは太くします。
また、お店の業種業態やイメージに合ったフォントを使用してもらえるようにデザイナーに伝えておきましょう。
(筆文字・明朝体・ゴシック、丸文字など)
2)メニュー名と価格の表示位置をカテゴリー毎に表示順を指定しますが、価格の順番ではなく、売りたい順に記載しましょう。
表記方法は、 全メニューの一覧(エクセルなどで作成)に商品番号を記載し、その番号をラフに記入すればOKです。
ソースやスープなどの選択がある場合は、メニュー名やカテゴリーの中に記載するようにします。
3)こだわりや調理法などの説明の配置を考えておく
食材のこだわりや調理法など、より詳しく説明したい場合はその商品のカテゴリーの中、または別枠にして作成しましょう。

4.メニュー名・価格・説明を配置する

5.価格(税金)や特記事項の記載方法
1)消費税について(外税・内税)表記方法については、税込価格か税抜、税込の二重表記にするかを検討します。
例:1,100円 ・ 1,100(税込) ・ 1,000円(税込1,100円)  
2)カテゴリー、メニュー、食材などの説明事項について
・メニューの説明は簡潔にわかりやすく記載します。
・メニュー名で料理内容が分かる場合は、説明は無くても大丈夫です。 
・特別な調理法などの場合は、調理写真などを使っての説明があればより良いでしょう。
・食べ方の説明が必要な場合は、メニューブックに記載することで、スタッフの説明の助けになります。
・提供時間が長めの商品、辛い商品はあらかじめ記載しておくと良いでしょう。


3)オススメ商品について
おすすめ商品や当店の人気商品には、選びやすいようにメニュー名の前にアイコン(マーク)をつけるようにします。
(緑:人気No 赤:当店のおすすめ)

6.メニューブックのカラーイメージがある場合は、色を指定したり、実際に色付けしたりしてみることで、よりイメージを具体化できます。

7.想いをメニューで伝えよう!

1)何を食べてもらいたいか、その想いを伝えます。
メニューブックを開くと一番初めに食べてもらいたいメニューをしっかりスペースを取って伝えましょう。
2)文字だけでは伝わりにくいのでビジュアルで伝えよう。
美味しそうな写真は、文字だけでは伝えきれないシズル感を伝えられ、五感に訴えることができます。
特に幅広い客層が利用するなら写真は必須です。
高級店では文字だけのメニューがほとんどですが、それは接客サービスのプロが丁寧にメニューの説明を行うからです。
3)デザイナーに任せっきりにしない
メニューブックのレイアウト(配置)は、デザイナーだけに任せずに自分の想いをZの法則(見る人の目線の流れ)に基づき配置しましょう。
Zの法則とは左開きのメニューブックを開いた時の目の動きで、左 →右→左下→右下の順で見る傾向があります。

完成したメニューブックの印象はいかがでしたか?
看板商品のタルティーヌを注文したくなりましたでしょうか。
写真で商品のイメージをちゃんと伝えることができた結果、多くのお客様がタルティーヌを注文されるようになりました!
文字だけのメニューブックを、このように一新しただけで、オペレーションの効率アップにつながっただけでなく、お店の顔となる看板商品を多くのお客さんに知っていただくことができました。
メニューブックはお客様へお店の想いを伝える重要なツールです。
上手く作成できれば、接客サービスの手助けをしてくれます。
ぜひ、この機会にメニューブックの見直しをして、売上アップを目指してください。
また、お客様としてお店を訪れた際は、メニューブックからそのお店の思いを読み取り、食事を楽しんでみてはどうでしょうか。

次回の食watchingは2023年4月公開予定です。