毎日、楽しく食育!!(1)

今月から3回担当いたします、フードコーディネーター協会理事の赤堀博美です。

「食育」ということばが注目されるようになったのはいつ頃からかご存知でしょうか?
日常的に使われるようになったのは、2005年に「食育基本法」が制定されてからではないでしょうか。
実はそれよりずっと前から「食育」という言葉はありました。
明治期に活躍した食養医学の祖とされる石塚左玄と小説家の村井弦齋が使い始めたと言われています。
「食養道」を提えた石塚左玄は、「体育も智育も才育も、すべて食育であると認識すべき」と記していますし、村井弦齋は新聞連載小説「食道楽」の中で、「小児には、徳育よりも知育よりも、体育よりも、食育が先。体育、徳育の根源も食育にある」と記しています。
つまり私達が健康に暮らし、正しく学び、そして他と秩序を持って暮らすための基礎は「食」を身につけることにあるのです。
これを実践するために内閣府のもと、食育推進会議が発足され、5年に一度、食育推進基本計画が発表されます。
現在は令和3年から7年までの第4次食育推進基本計画が出されています。

各行政もその地域の状況に合わせて食育を推進します。
例えば、私が暮らす東京都文京区の場合は、区の保健医療計画の中に「文京食育推進計画」が記されています。
食育を推進する「食育サポーター」の育成や保健所が主体となった取り組みの「ハッピーベジタブル大作戦」などがあります。
食育講座の開催や野菜120gメニューのある外食店をハピベジ加盟店と認証するなどの取り組みをしています。
みなさんのお住まいの地域の食育の取り組みにも着目してください。

 「食育」って難しく特別なものに感じてしまうかもしれませんが、実は、毎日の生活そのものです。
例えば、私は、買い物が大好きです。
「今日のご飯、何を作ろうかな?」と考えながら買い物に行きます。野菜や果物の売り場には季節の野菜がたくさん並んでいます。
今しか味わえない野菜を見つけてはウキウキしています。
名前のわからない野菜や新品種の果物はすぐに調べます。
季節を感じ、旬の食材と仲良くなることも「食育」です。

おうちで料理を作ります。
どの順番で食材を切ればまな板が汚れにくく、洗い物が少なくてすむかを考えます。
野菜から切りましょう!
野菜をゆでる順番も、灰汁の少ない野菜から順番にゆでればお鍋ひとつでできるので、水もガスも節約できますね。
これも「食育」です。
次に、みそ汁を作るので出汁をとります。
昆布といりこを一緒に鍋に入れて水を加えて沸騰したら火をとめます。
昆布といりこを漉したら出汁が完成します。
濃いめの出汁を作れば味噌が少なくてもおいしくいただけます。出汁の旨味を大切にし、塩分控えめな健康味噌汁を作るのも「食育」です。
さらに、私は出汁をとったあとの昆布といりこを細かく切ってみりんと醤油で炒り煮してふりかけを作ります。
残った食材も捨てずに食べちゃいます。

食材を無駄にしないように大切にすること。
そして出来上がった料理をいただくときに感謝を込めて「いただきます!!」「ごちそうさま!!」を言うこと。
そして、一緒に食べているお友達と楽しく会話しながら食べること。
まずは毎日できる食育から始めましょう。

知っているようで知らない「食育の話」:農林水産省 (maff.go.jp)

食育推進計画とは – 検索 (bing.com)

文京区 「文の京(ふみのみやこ)」ハートフルプラン文京区地域福祉保健計画(令和3年度~令和5年度) (bunkyo.lg.jp)