食のことを学ぶやり方って? (1)

今月から「食のことを学ぶやり方って?」(全3回)を担当させていただきます、日本フードコーディネーター協会理事の佐野由美子です。

私は企業や現場で人材教育を任される仕事をしています。
今回はこの視点から「食」について掘り下げてみようと思います。
題して「もっといろんなカタチで食のことを学んでいきましょう」というお話をしますね。

耳の痛い話かもしれませんが、最近は食のトレンド情報にはものすごく詳しく話題に飛びつくパワーは感心するばかりなのに、大事な食の基礎知識が足りなすぎる人が多いように思います。
長年レストランの現場にいますと お客様が(時には若いスタッフまでも) 料理の「食材」のことをあまりにも知らなすぎるな、と驚くことが多いです。
例えば 「鮎は初夏だけの魚でこれは顔が小さいから養殖だね」「鯖は夏には食べられないし」「中国料理では牡蠣は干牡蠣しか使わないんだよ」「桃はやっぱり春のものがフレッシュで美味しいね」・・・ ご家族連れでも子供さんに「あれ?」ということを教えている方も結構おられるものです。
食の知識の基本のき。食材のことだけはしっかり学びましょう。
旬の食材や日本の食材図鑑などの本は沢山あります。
私は調理場にも、広報担当にも、自分の机にも数冊ずつ用意しています。
ホテルやレストランで現場勤務でしたら毎日来られる業者さんが一番の先生です。

そして今、つまりこの夏に真っ先に学んでほしいことは「食の衛生管理」です。
家庭でももちろんですが、お客様と接する食の現場では最優先に正しい知識を身につけてください。
マスクとアルコール消毒だけが事故防止行動ではありません。
責任者に正しい衛生管理知識がないとスタッフ教育は成り立ちません。
お金やダスターを触った手で食材に触れたり、商品の扱いがひどく雑だったり、掃除用具の使い方にも見ていて怖くなることがあります。小さな現場であっても「衛生マニュアル」は絶対に必要です。
自分の衛生知識に自信がなかったら、すぐにネットで調べてください。
厚生労働省、都道府県庁や市区町村などの公的機関のサイトで食材の管理法も、清掃の注意点も、衛生マニュアルのつくり方も豊富に見つかるはずです。

知っているようで知らない「食の知識」は実に多いもの、次回からも もっと学べるヒントをあれこれお話しますね。

<(2)に続きます>
食のことを学ぶやり方って?(2)は8月公開予定です。