「食のことを学ぶやり方って?」 (3)

「食のことをもっといろんなカタチで学んでいきましょう」というテーマも最終回。
今回は食をビジネスとする方にとって、最も大切な「人から学ぶこと」にスポットを当ててみましょう。

私たちフードコーディネーターにとって本当に価値のある知識と情報は「鮮度」と「リアルな実態を知ること」であると前回お話しました。
コロナパンデミックで世の中はかつてないほど劇変しました。
食ビジネスの世界も同様に大きく変わりました。
営業形態も仕事のルールもオペレーションも日々刻々と変動し、これまでのマニュアルは一切通用しなくなりました。

コロナにより仕事が立ち消えになったり、縮小せざるを得なくなった方も少なくないでしょう。
未経験の渦中に立たされ、先の見えない手探り状態の時に「道しるべ」になるものとは何でしょう。
新しいチャレンジに向かう時に指標となる「根拠」はどこにあるのでしょうか。

非常時のみならず、常に学びの源泉は「人」です。
困った時に慌てて誰かにすがるのではなく、日頃から築いてきた人脈や人から学んだ知見を瞬時にピックアップし、活用していく姿勢こそが重要です。
私は、独立してホスピタリティ教育ビジネスを始めてからの約30年、毎月100枚は名刺を使ってきました。
人脈はすべての仕事の玄関だからです。
自分一人で経験できること、学べること、アタマで考えられることは限界があります。
現場の目の前のことで手いっぱいの方も多いでしょう。
だからこそ、常に人と繋がり、人から教えてもらうアクセス法とアクションが不可欠なのです。

特に自分の専門分野外の知識が即座に必要になった時、日頃からの名刺(人脈)が大きな力になることを覚えておいてください。
礼儀に則り、正直に相談すれば、相手は応えてくださいます。向こうも専門家×専門家の関係には理解を示すもの。
ですから、今日仕事で出会い、リスペクトを感じた方とは丁寧につき合う姿勢がとても大切なのです。

また、現代は知識を学ぶには非常に便利な時代になりました。
オンラインの専門家セミナーは、探せば有料無料に関わらず、質の高いものが多く提供されています。
私は早朝時間にオンデマンド講座をよく視聴しています。
非常にビジネスに役立ちます。
さらに聞きたい時はそこからアポイントを取り、専門家とお会いすることも多々あります。
要するにご自身の「学びの意欲」次第だと考えます。

もう一度言いますが、「食」の世界は日々激変しています。
まさに今この時、現場で取り組み、実績を掴んだ方から得る知見こそ、自分の財産であり、原動力である、ということをお伝えし 最終回といたします。
これからも仲間同士で強く繋がっていきましょう!

次回の食watchingは2022年10月公開予定です。