植物性をチョイスする(2)

「植物性をチョイスする」第2回は植物肉がテーマです。日本フードコーディネーター協会理事の谷米です。

植物肉、代替肉、プラントベースミート、フェイクミートなんて呼ばれていますね。
大豆で作られた商品は大豆ミート、小麦で作られた商品はグルテンミートとも呼ばれています。

他にもエンドウマメやソラマメで作られたものもありますが、日本では大豆で作られたものが多く出回っています。
第1回でも触れましたが、やはり日本人の重要なたんぱく源として、大豆はなじみ深いものがありますよね。
ちなみにヴィーガンが年々増えている外国、時に欧米では、大豆ミートは大豆臭いと言われて、エンドウマメやソラマメなどで作られた商品の人気が高まっています。

植物肉を選択する理由として、今後地球上では発展途上国の経済成長に伴い、さらなる人口増加が見込まれていて、これにともなうたんぱく源の供給が課題となっています。
 また、家畜を育てることは、たくさんの温室効果ガスを出すことにつながるとして、肉を口にしないベジタリアンやヴィーガンのライフスタイルが世界的に広がっています。
日本では、健康意識の高まりやコロナ禍による外出自粛で自宅調理する機会が増加したこと、買い物の頻度を控える目的でストックできる植物肉に興味を持った人もいたと言われています。

私のよく行くスーパーの肉売り場の一角では、様々な会社が参入していて、形状もミンチタイプ、フィレタイプなど調理に合わせて選択することができますし、調理済みについてもミートボールタイプやチキンナゲットタイプなど、日々の食生活に取り入れやすい形をメーカー各社が工夫して商品を投入していますね。

外食産業でも「脱ミート」が世界的な流れですが、マクドナルドやバーガーキング、KFCなど、外食大手チェーンも植物肉の使用を開始していますね。
日本でも、モスバーガーが大豆を原料としたソイパテ入りのハンバーガーを販売開始し、一般の人も手に取る機会が増えました。
日本では、植物由来といって原材料に動物性由来の材料を含む商品もあるため、厳密なヴィーガンには対応していないものもありますので、注意をしてくださいね。
 また、大豆はアレルギー食品として、表示が推奨されています。
比較的患者数が多い食品なので、誰でも大豆ミートがいいというわけではありません。

ちなみに培養肉という代替たんぱく質の方法もあります。
牛や豚などの動物から採取した細胞を培養液の中で増やすことで作られます。すごい進化ですよね。
シンガポールでは、世界ではじめて販売されて注目されています。
シンガポールは面積の限られた都市国家のため、食料の9割は輸入に依存しています。
そのため、積極的に安全性の審査体制などを整えて、培養肉の食用を認めた背景があります。今後、培養肉も注目ですね。

次が連載最終回です。植物性ミルクについて、最新のトレンドも交えて、一緒にみていきましょう。

<(3)に続きます>
植物性をチョイスする(3)は6月公開予定です。