活躍するフードコーディネーター事例集

外国人に日本食を教えるワークショップの機会を増やしたい

Food Artist
文筆家

佐々木麻子さん (神奈川県)

フードアーティストとして、国内外のアートスペースでワークショップなどを行っている佐々木麻子さん。世界100都市以上で食探訪を続けてきた経験を活かしてのレシピ開発や、広告・雑誌のライティングも手がけるなど幅広く活躍しています。

アートスペースでの仕事をきっかけに海外留学

佐々木さんは、大学在学中に赤堀料理学園フードコーディネーター科を卒業。編集プロダクション、広告制作会社などを経て、2002年にライターとして独立しました。
フードコーディネーター2級(イベント・メディア)を取得したのは2004年度。ほかにもジュニア野菜ソムリエなどの資格を取ったことで、食関係の仕事が増えていったと言います。アート好きだったこともあり、横浜のアートスペース「BankART」のスタッフと交流があった佐々木さんは、2006年から約3年間、施設内パブのイベント店舗として『Asako’s Bar』を営業。これがフードアーティストとして活動するきっかけになりました。

アートスペースでは外国人や留学経験者と触れ合う機会も多く、刺激を受けた佐々木さんは2009年にイギリス・ウェールズに留学。2年目にはロンドン郊外にある公立カレッジのシェフコースに移り、現地のミシュランレストランやベジタブルカフェの厨房を経験しました。

フードアーティストとして、海外で文化交流に携わるように

フードアーティストとしての主な仕事は、展覧会のオープニングパーティなどのケータリングやワークショップなど。「ケータリングでは展覧会でアーティストが扱っている色や素材、テーマに関係するものを取り入れた料理を作っています」と佐々木さん。
これまで、アーティスト交換プログラムで滞在した韓国、マレーシア・ペナン島での国際交流基金の関連イベントなどで文化交流やワークショップを行ってきました。

資格は仕事を広げるチャンスに活かせる

「フリーで仕事をしていると『資格ってあるんですか?』とよく聞かれます。依頼する側は、誰でもできる仕事なのか、そうじゃないかを知りたいんでしょう。フードコーディネーターなどの資格を取得したことで、プロフィールに堂々と書けるのはメリットです」と佐々木さん。
「私は『この人と仕事がしたい』『仕事のチャンスがありそう』と思った時には、資格と実績を書いたプロフィールを送ってアピールしてきました。その中の一つでも相手の目に留まれば、仕事につながるからです。フードコーディネーターの資格も、仕事を自分のやりたい方向に近づけていくためのチャンスとして使えると思います」

人生に無駄な経験はない

「人生って無駄な経験は何もないと思うんです」と話す佐々木さんは、多彩なキャリアを積み重ね、やりたいことが見えてきたと言います。 今後は、国内外で外国人に日本食を教えるワークショップの機会を増やしたいそうです。
「世界各国の食の嗜好を押さえた上で、海外でも再現できるような形で日本食を教えたい。たとえば甘い味の好きなインドネシアの人には少し甘めのメニューを教えるとか。日本特有の食材を現地で手に入るもので代用する方法など、無理なく楽しくアレンジできるコツを伝えたいですね」
その準備に加え語学力を上げるべく、アイルランドへの留学が決まってるそうです。

※記事内容および記事中の所属・肩書きは取材当時のものです。

プロフィール

佐々木麻子さん

佐々木麻子さん (神奈川県)

フードコーディネーター2級(イベント・メディア/2004年度取得)
Food Artist ・ 文筆家
ジュニア野菜ソムリエ、BBQ中級インストラクター、飾り巻き寿司技能1級ほか
主な著作『作りおき ストックおかず』(枻出版社)
『イラストでよくわかる料理の基本とコツ』(彩図社)

FCAJ 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会 Arrow