活躍するフードコーディネーター事例集

仕事をする上で大切なのは想像力を働かせること

お菓子・料理研究家

森崎繭香さん (神奈川県)

お菓子・料理研究家として数多くのレシピ本を出版している森崎繭香さん。身近な材料を使い、家庭でも作りやすいレシピで人気が高く、フードコーディネーターとしても雑誌やWEB、各種メディア、料理イベントなどで幅広く活躍しています。

1級の資格は、食について幅広い知識があることの証 

大学卒業後、精密機器メーカーの営業職をしていた森崎さんは、「心から楽しいと思える仕事がしたい」と考え、食の世界へ転身。調理師専門学校在学中の2008年度にフードコーディネーター3級の資格を取り、続けて「レストランプロデュース」と「商品開発」の分野で2級を、さらに1級(商品開発)も取得しました。

「フードコーディネーターは、とにかく仕事をもらわないと実績を積んでいくことができません。駆け出しだった私は、日本フードコーディネーター協会認定の資格を持っているということは、食についてちゃんと勉強して幅広い知識があるという証になるはずだから、そこをアピールしていこうと思いました」と森崎さん。ならば大勢の人が持っている3級よりも上の資格があった方が強いと思い、1級を取得したとのこと。自身の名刺やホームページに「フードコーディネーター1級(FCAJ認定)」と明記することで、仕事上での信頼を得ることにつながっていると言います。

期待通りか、それ以上の結果を出せば必ず次がある

森崎さんが初めてのレシピ本を出したのは2010年。知り合いに頼まれて、あるウェブサイトにお菓子や軽食のレシピを載せていたところ、それを見た出版社の人から「蒸しパンの本を出したい」と声がかかります。その後は雑誌、企業のウェブサイトへのレシピ提供の仕事が増え、料理教室の講師、イベントや飲食店のコンサルティングなども手がけて幅広く活動。NHK『ひるまえほっと』の料理コーナーなどテレビやラジオにも出演しています。
「一つ一つの仕事に対して、期待通りかそれ以上の結果を出していれば、必ず次の仕事につながります」と森崎さん。それに加えて心がけているのは、仕事の上で想像力を働かせることだとか。「たとえば雑誌なら、こちらがどんな形でレシピを渡せば編集者さんの作業がスムーズに進むかを常にイメージします」とのこと。

作りやすいレシピを通して、食への関心・興味を高めたい

「お菓子も料理も作るのが楽しいと思えること、喜んで食べてもらえてうれしいと感じることが一番。だからレシピでは、家庭で手軽に作れて、かつおいしくて見た目もかわいいという点を心がけています」と話す森崎さん。手がけたレシピ本は20冊にもなり、自分が本当にやりたい仕事ができるようになってきたことを実感しているそうです。これからも、作りやすいレシピを通して食への関心や興味を高めていきたいと言います。
また新たなチャレンジとして、安全でヘルシーな犬のごはんやおやつの開発・製造をこの秋から手がけるそうです。愛犬に食物アレルギーが出たのがきっかけとのことで、お菓子・料理研究家ならではの知識と技術を生かして、塩分を足せば人間でも食べられるような雑炊、アレルギー対応のフードなどを考案中だと語ってくれました。

※記事内容および記事中の所属・肩書きは取材当時のものです。

プロフィール

森崎繭香さん

森崎繭香さん (神奈川県)

フードコーディネーター1級(商品開発/2011年度取得)
お菓子・料理研究家
料理教室講師、パティシエを経て、フレンチ、イタリアンの厨房で経験を積み、独立
『焼かないケーキ』『魅惑のおやつ』(共に日東書院本社)、『あんこのおやつ』(誠文堂新光社)、『型がなくても作れるデコレーションケーキ』(グラフィック社)など著作多数

FCAJ 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会 Arrow