活躍するフードコーディネーター事例集

地域のニーズを考え、気軽に立ち寄れるレストランを開業

スペイン料理レストラン「地中海テラスOtama」オーナー

麻生香さん (兵庫県)

兵庫県西宮市にある『地中海テラスOtama』は、旬の素材を活かした地中海スペイン料理のレストラン。オーナーの麻生香さんは、フードコーディネーターの資格を取得したのち、2016年8月に、西日本最大級と言われる新西宮ヨットハーバーのすぐそばにお店をオープンしました。

「知りたい、学びたい」から「活用したい」へ

麻生さんは、料理雑誌を読んでいるうちにフードコーディネーターの資格を意識するようになりました。「とても面白そうな仕事だなと思いました。食べることが好きで、妊娠を機に食事に気を配るようになり、さらに食のことを深く知りたいと思い、資格取得を目指しました」と言います。
資格スクールで半年間学び、3級に合格。その後、自分のお店をオープンさせた麻生さん。知識欲を満たす目的でスクールに通っていたつもりが、次第に資格を活用したいと思うように。
「スクールの先生から資格活用をうながされたり、友人たちから『資格を取ったら何をするの』と聞かれるたびに、自分にできることは何だろうと考えるようになりました」と語ります。

自分がしたいことよりも人が望むことを

お店と同じ地域に住んでいる麻生さんは、周りに飲食店がなく困っていました。「ハーバーがあり、治安もよく、住む環境が整っているのに、飲食店だけがなくて。気軽に立ち寄れるお店があれば、もっと素敵な街になるのにと思っていました」と麻生さん。スクールで学んだ 「ニーズに合わせた行動が勝利のカギ」という教えを思い出し、自分が困っていることは、ほかの人も困っているのではと考え、飲食店経営を決意しました。

お店のコンセプト、店舗設計や内装、メニュー、スタッフ選びなど、オーナーとして開店準備全てに関わりました。「子育て中のお母さんたちも気軽に立ち寄れるようなお店つくりを心がけ、壁側にはベンチシートを配置し、客席スペースにゆとりをもたせて、ベビーカーを置けるようにしました。お一人様でも楽しんでいただけるよう、カウンター席を設けたり、パーティー会場としてご利用いただくお客様にはスクリーンを設置してサプライズ映像を流せるようにしています。ハーバーを利用する方の要望でテイクアウトやデリバリーにも対応しています。ハーバー近くのお店なので、ヨットをイメージした明るい内装にしていますが、昼と夜とでは雰囲気の違うお店になっていると思います」と言います。

より地域のニーズに合ったお店にしていきたい

店長兼シェフの岡田幸三さんは「フードコーディネーターの資格を持っている方と初めてお仕事をさせていただき、その幅広い知識に刺激を受けています。提案するメニューにも、栄養のバランスや食べ合わせなどの視点から助言をいただき、参考にしています」と言います。
勉強を始めた頃は飲食店経営など想像もしていなかった麻生さん。「2年経って、ある程度お店のことがわかってきました。当面は自分たちでできる改善をしながら、もっと地域のニーズに合ったお店にしていきたいと思っています」と語ってくれました。

※記事内容および記事中の所属・肩書きは取材当時のものです。

プロフィール

麻生香さん

麻生香さん (兵庫県)

フードコーディネーター3級(2015年度取得)
スペイン料理レストラン『地中海テラスOtama』オーナー
資格取得時に学んだことを活かして、兵庫県西宮市にレストランを開業。
その他の資格:薬膳食療法専門指導士、予防医学食養生士

FCAJ 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会 Arrow