活躍するフードコーディネーター事例集

日本酒の魅力と地元京都伏見の良さを発信したい!

ホクト株式会社 経営企画部

石﨑和希さん (東京都)

石﨑和希さんは、上場食品メーカーに勤務するかたわら「日本酒で起業を!」という夢を持っている。休日などを利用して、若い世代に日本酒の魅力を伝えるためのイベントを開催しています。
石﨑さんと日本酒との出会いは、生まれ育った京都伏見にありました。日本有数の酒どころとして知られ、そこかしこに酒蔵がある街。21歳になり、地元の酒屋で飲んだ日本酒がきっかけで日本酒の奥深さと地元伏見の良さに目覚めます。

「日本酒を知れば知るほど、自分にとってその魅力が増していきました。そして自分の住んでいた所なのに、なんで今まで気がつかなかったんだろう」と石﨑さん。「日本酒の魅力と伏見の良さを発信できるような事業を起こしてみたい!」との思いから、学生起業家輩出プロジェクトにチャレンジ。投資家の前で事業プランをプレゼンし、入選を果たしました。しかし、資金が集められずに起業を断念。大学卒業と同時に食品メーカーのホクトに入社します。

社会人になっても夢を追い続けたい・・・だから資格を!

本社のPR部署で仕事に励みながらも、起業の夢は消えることがなかった石﨑さん。再度事業プランを練り直し、まずは“信用を得ることから始めよう”と、フードコーディネーター取得を目指しました。「あのプレゼンで負けた悔しさが、より大きなパワーとなりましたね」と石﨑さん。
社会人3年目までに1級取得を目標に、1日1時間、毎日欠かさず勉強し、見事2016年度に1級合格(商品開発)。同時進行で唎酒師、日本酒学講師の資格も取得するなど、努力を重ねました。

資格取得で少しずつ変化が・・・

3級取得後は、自分の提案が社内で通るようになり、資格が活かされていると実感するように。現在の部署への異動を機に、2級資格は商品開発で目指します。合格の際「君、意外とやるねぇ」との上司の言葉に、自分が認められてきたことを感じ始めたそうです。そして1級取得では、周囲の変化よりも自分自身に大きな変化があったといいます。1級取得者の数が少ないと知ると、自信が生まれ、自己アピールにどんどん使っていこうと思うようになりました。

「学生の頃、日本酒で起業したい想いを伝えに酒蔵の社長を訪ねましたが『まずは自分でやってみなさい』と言われ、信用の無さを実感しました。でもくじけず、何度も会って話すうちに少しずつ理解してくれるようになりましたし、最近は日本酒のイベントでさまざまな方と出会い、自分に足りない知識や知識以外のことも学べているように思います。まだ会場では“なめられる感覚”はありますけど(笑)。それはもう慣れました。それに腐らず自分の意志を持ち続けたいと思っています。腐っていては1級を活かせませんから」と熱く語る石﨑さん。少しずつ広がり始めた人脈を使い、さらに楽しいイベントも計画中とのこと。着実に起業への手応えを感じ始めているようです。

目標に向かって突き進むパワーに・・・

社会人3年までに資格を取得し、5年までに起業する。起業後は3年間で講師としての地位を確立し、そこから5年後までには日本酒のアンテナショップを3店舗出店するという明確なビジョンを持っている石﨑さん。「今は、イベント活動や人脈づくりにフードコーディネーターの資格をフル活用し、起業のための信用を作っている段階です。私にとってこの資格は目標に向かって突き進むための自信になっています」と語ってくれました。

※記事内容および記事中の所属・肩書きは取材当時のものです。

プロフィール

石﨑和希さん

石﨑和希さん (東京都)

フードコーディネーター1級(商品開発/2016年度取得)
ホクト株式会社加工食品事業部を経て現在経営企画部勤務
プライベートな時間は、将来、日本酒に関わる事業を起こすための活動にあてている。日本酒をより身近に感じてもらえるような楽しいイベントを定期的に開催。その他の資格:日本酒学講師、唎酒師

FCAJ 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会 Arrow