協会員のヨコガオ

協会員のヨコガオ Vol. 12

スキルアップを目指してフードコーディネーター資格を取得

辻 紀子さん

料理教室「Salon de Tsuji」
フードコーディネーター1級(商品開発)

辻 紀子さん (東京都)

Q.辻さんってどんな方?


料理教室の様子

東京都出身で、大学卒業後、アートフラワー製作や西洋料理の普及に活躍された、故飯田深雪先生に憧れ、株式会社深雪スタジオに勤務しましたが、結婚のため退職。
どっぷり専業主婦をする傍ら、料理好きが幸いしてママ友に料理を教えるうちに、自然発生的に人が集まって料理教室になり、それが25年ほど続いています。
自分の料理の実力が客観的にわかり、さらにスキルアップをしたいと思っていた時に、フードコーディネーター協会の資格試験があることを知り、受験しました。
2000年に3級を取得。
2003年に2級の食の商品開発を取得。
2013年に食の商品開発で1級を取得しました。
この間に、2008年には第15回豆!豆!豆!料理コンテストで、最優秀賞を受賞(受賞作品は「豆入り塩パウンドケーキ」)。
自他ともに認めるほど好奇心旺盛で、多趣味で、長年ポーセリンペインティング(陶器上絵付け)にはまり、最近ではカービングにも、はまっています。
また、フードコーディネーター資格のほかに、栄養士や厚手のトレーシングペーパーをレースのように仕上げるパーチメントクラフトの公認講師、テーブルコーディネーターなどの資格を取得しています。
料理は、私の軸となるものです。見ること、知ることが大好きなので、以前には、胡椒の実がなっているところを見たくてカンボジアの胡椒畑まで行ってしまったこともあります。
このような仕事をしていると、自然と珍しい食材が集まってくるので、それをどう活かすか考え、今までの経験や趣味と組み合わせて、新しい世界が広がっていくことがおもしろく,やめられません。
また、1年に1回程度、大人の遠足として日帰りバスツアーの企画運営を行い、事前においしい昼食やお土産をリサーチしてご案内しています。いくら時間があっても足りないぐらい、おもしろおかしく過ごす毎日で、みなさんにとって、自分は“何でも屋”的な存在だと思います。

Q.お仕事内容は?


料理教室風景

フリーで地道に活動しておりますので、他の方のような華やかさがないかもしれませんが、専業主婦からでもこんな楽しいことをしている人もいると思って、読んでいただければと思います。
料理教室では、「簡単、おいしく、美しく、おもてなしにも向くおしゃれでトレンドの先を行くレシピ」を
紹介しています。レシピを作るとき、「食材の特徴をよく理解し、それを活かしているか、なぜ、この分量なのか、なぜこの手順なのか」と理由付けがはっきりできていることを基準としています。
食の商品開発の資格を取った頃から、出張料理教室、親子料理教室、料理本の撮影アシスタント、6次産業でのレシピ開発、地方の事業所従事者に対して栄養計算指導などの依頼を受けるようになり、少しずつ仕事の輪が広がりました。1級取得をきっかけに、教室名を「Salon de Tsuji」としました。

Q.フードコーディネーター協会員としての活躍

2級を取得後、東京ドームで毎年2月にあるテーブルウエアフェスティバルの東京電力のブースで、IHクッキングヒーターの宣伝のため、協会と東京電力がコラボした企画があり、1日講師を務めた経験があります。

Q.そのほか、食や協会について何かお伝えしたいことがありましたら!

毎年、協会の懇親会でいろいろな方との出会いがあり、人脈が広がっていく機会となっています。食に関していろいろな分野の方と知り会え、学ぶことも多く、ありがたいと思っています。

Q.フードについて一問一答

◆好きな食材は?

これからヒットしそうな食材を見つけること。2019年2月に、料理教室でカラフルなフルーツにんじんをサラダにしました。協会の豊洲市場見学の際、青果棟でフルーツにんじんを紹介され、思わずにんまりしてしまいました。

◆最近作った、または食べた料理で記憶に残ったものは?

鰹のたたきを冷燻にし、燻製の香りを活かすためナンプラー風味のドレッシングでサラダ仕立てに
したところ、生臭みもなく、燻製の香りを楽しむことができ大好評でした。

◆思い出の料理は?


豆入り塩パウンドケーキ

「豆入り塩パウンドケーキ」です。ケークサレなどという言葉がまだなかった頃なので、こんなネーミングですが、今までやってきたことが認められたようでうれしかったです。甘みが少ないのでワインとの相性もよく、前菜、ブランチにと開発しました。

◆お気に入りの飲食店は?

元代々木にあるフレンチレストラン、「Les Chanterelles(レ・シャントレル)」。ミシュランの1つ星を2019年も取られただけあって、下田出身の中田シェフの魚料理は絶品。フランスから届いた肉を中心に、火の通し方がすばらしい!お店の名前の通り、キノコにこだわりをお持ちです。アミューズからデザートまで10品近く提供されるのに、重くなくいただけてしまいます。家族のお祝いの時には必ず行くお店です。

◆勝負メシは?

代々木上原のイタリアン、「Quindi(クインディー)」のランチプレート。お店のこだわり料理がワンプレートに凝縮されています。食いしん坊なので、おいしい物をちょっとずつ、欲張りなほどいろいろ食べられるので、満足感が高く、パワーアップした気がします。

◆いま注目の食材は?

青森の(有)白神アグリサービスのリンゴです。いろいろな品種の中で「ジェネバ」というリンゴは、皮も濃い赤ですが、切ると中まで赤い。ポリフェノールが多いので渋みがあり、生食には向きませんが、加熱すると鮮やかなラズベリーピンクになること、収穫が8月末から2週間ぐらいと短いので希少性もあります。製菓には、きれいな色と珍しさがあいまって、料理に使えばグレードアップできると思います。
もう一つは、「農家が干したリンゴ」というもので、低温乾燥のため、見た目はフリーズドライと違い控えめな存在ですが、口に入れると香りが広がります。リンゴの種類によってそれぞれの特徴が際立つので、その違いもおもしろく、ついつい全種類食べ比べてみたくなります。

FCAJ 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会 Arrow