協会員のヨコガオ

協会員のヨコガオ Vol. 11

資格を取得して、支援機関から専門家派遣事業の派遣要請が増えました

たなか のりこさん

株式会社ワンダーマート
代表取締役
フードコーディネーター1級(商品開発)

たなか のりこさん (秋田県)

Q.たなかさんってどんな方?


秋田県横手市生まれで、現在も横手市に住んでいます。食品製造会社、水道管材卸会社、不動産会社、環境保全会社などに勤務した後、2008年に個人事務所を立ち上げてフリーランスとして始動。
2013年には、食関連のコンサルティング事業と、フードビジネスで活躍できる人材育成を事業とした、株式会社ワンダーマートを設立しました。
2007年にフードコーディネーター3級取得、その後2級取得を経て、2012年には商品開発で1級を取得しました。徐々に支援機関への登録と派遣要請が増えてきたのがうれしいです。

2009年度~  あきた企業活性化センター 登録専門家
2013年度~  ビジネス創造等支援事業/専門家派遣事業(ミラサポ) 登録専門家
2014年度~  宮城県商工会連合会エキスパートバンク 登録専門家
2015年度~  秋田県商工会連合会エキスパートバンク 登録専門家
2017年度~  秋田県6次産業化プランナー就任 
2017年度~  宮城県よろず支援拠点 コーディネーター就任

現在は、経営者として事業所の運営の難しさを自ら感じながら、多くの食関連事業所様の経営課題の解決に取り組んでいます。商品開発は、一見経営改善の起爆剤のように見えがちですが、事業所の経営体力次第では事業経費のかけ方が代わります。特に、地方の食品製造の現場では、新しい商品を生み出したことで、さらに経営を圧迫しかねないことも起こり得るのです。
私たちフードコーディネーターは、そのバランスについても見極めながら、新しいモノづくりと販売の拡大を、お手伝いする立場だと思っています。

Q.たなかさんのお仕事内容を教えてください


メンズ・クッキング教室。わきあいあいとした楽しい教室

フードビジネスのコンサルタントとして、商品開発から販売促進、改良のお手伝いなど、幅広く食の分野に関わっています。行政や支援機関から派遣要請を受けて、事業所を支援することが多いです。
また、人材育成や地域活性のためのセミナー、研修などで講師を務めています。
一つだけ料理の講習を行っています。フードコーディネーターの駆け出しの頃から継続させてもらっている、男性のための料理講習「メンズクッキング」です。退職したばかりの男性が、奥様に送り込まれてくる料理講習なので、お米さえ研いだことのない受講者がほとんど。講習の中では、予測不可能なことに見舞われることがたくさんで、毎回大騒ぎしながらワイワイ続けています。今年で丸12年を迎える料理サークルなので、メンバーのほとんどが70歳を超え、今なお元気に通ってくれるのがうれしいです。

Q.どうしてフードコーディネーターになったのですか?

嫁ぎ先の義父が育てたトマトのおいしさに感動し、「農業と食と暮らしの連携」や、「大切にしなくてはいけない環境」があることに気が付いたからです。
おいしい野菜や果物が生産できる地元「横手」のために、できることは何か? そう考え、フードコーディネーターとして販売促進に関わりたいと思ったからです。

Q.フードコーディネーターになってよかったことを教えてください

地域の大切な資源として各地に存在する「食材」。誰にとっても大切な宝物を、そのまま楽しむための方法を考えたり、また新たな技術で加工し、多くの方に楽しんでいただくための商品作りをお手伝いしたりと、そのアイデアが、関わる方に喜んでいただけて、形になっていく瞬間がたまらないですね。
ただ単に商品開発にアイデアを出すだけの立場ではなく、モノ・ヒト・コトを繋ぐコーディネーターである“フードコーディネーター”だからこそ、成せる仕事だと誇りに思っています。

Q.フードについて一問一答

◆最近作った、または食べた料理で記憶に残ったものは?


(写真左)地物野菜をふんだんに使ったランチプレート。
手前は水田で栽培されたれんこんと、パースニップを素揚げしたもの。素材本来の美味しさがギュッと閉じ込められていて味が濃い!
(写真右)じゃがいもの隣に並んだ2種類の野菜。左のルタバカは蕪の一種で、右のパースニップはセロリの根

ただオーブンで焼いただけの野菜料理。ヴィーガン料理のシェフがマルシェで提供していた野菜ランチです。
最近では、在来種だけでなくイタリアをはじめとするヨーロッパなどの野菜の栽培も盛んになっていて、初めて味わう野菜の香りやほろ苦さを感じて、食べることがとてもうれしいです。野菜本来の味、というものに、あらためて感動しています。

◆勝負メシは?

鶏のむね肉が大好きなので、大判をそのままフライパンで焼いてむしゃむしゃ食べると、元気になれます。
マクドナルドのハンバーガーやポテトフライなど、ジャンキーな食べ物も大好きだけど、職業柄、素材の味を舌で感じることに集中していて、年齢を重ね、歳とともによりシンプルな味わいに好みが戻っているなと感じています。

◆いま注目の食材は?

地元の山で取れた山菜です。わらびが旬で、とろとろの味わいに今年も感激。そして、今年一番のお気に入りは「うるい」。山菜はついつい茹でるか天ぷらにしてしまいがちですが、うるいは茎の部分を生で味わうと、とろとろとした不思議な舌触りが心地よく、今季はオリーブオイルに塩少々で和えたサラダで楽しんでいます。

FCAJ 特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会 Arrow