協会員のヨコガオ

協会員のヨコガオ Vol. 01

生産者の方たちが自信を持って薦められる商品作りのお手伝い

高橋 直也さん

バイタリゾン高橋経営士事務所 経営士
フードコーディネーター1級(イベント・メディア/商品開発)
レストランプロデュース 2級

高橋 直也さん (宮城県仙台市)

Q.高橋さんってどんな方?

百貨店の本部や店舗にて宣伝制作に携わり、その後、化粧品メーカーで販売促進、製品企画を担当しました。さらにレストランチェーン店にて顧客管理や販売促進の営業企画を経て、10年前に父と同じ経営コンサルタントとして起業しました。
レストランチェーン店に勤めているときに、ある地域の5店舗の料理長が、同じ食材を使って同じレシピで同時に作った料理を食べた時に、作った人を全部当てることができました。それまで自分は、ただ食べることが好きなだけの人間だと思っていたのですが、とても自信が付いた出来事でした。そのことがきっかけで本格的に食の勉強を始めました。特にそこでは商品開発を手伝っていた年配の方に、料理のコツなどを教えていただきました。食べた料理を再現することなど、単身赴任の一人暮らしで覚えた料理もたくさんあります。様々な料理に挑戦し覚えたことは、その後の商品開発にも大変役立っています。

Q.お仕事内容は?


(上)牡蠣の加工品提案と一緒に、地元の味噌屋さんと牡蠣を食べるための酢味噌も手がける、(下)様々な品種の米を栽培している生産者さんが、米屋に代わってブレンド米を作り、販売しています

食にうるさく、マーケティングの経営コンサルタントとして、地域や企業の経営をサポート。特に、6次産業化プランナーとして活躍をさせてもらい、宮城、山形など、約20件の認定支援を行いました。
一貫して、プランナーとしてお手伝いする基本は、生産者の方が自信をもって商品を薦められるようにすることを心がけています。自分の子どもや孫に食べさせたい、大切な家族に安心して、胸を張って食べてもらえる商品にすることです。いわゆる消費者目線での考え方ですが、実は、そういったご本人たちも消費者の一人。ですから、それは決して難しいことではないのです。
さらに6次産業化は、持っている資源をいかに有効に活用するかだと思います。


(上)ホテルチェーンの総料理長に生ハムの試食をしてもらう、(下)銀鮭という魚の美味しさを実感した商品。伝統的な製法で塩引きにしたもの

例えば、宮城県は牡蠣の養殖が盛んです。ですが、牡蠣の一番おいしい時期は一般の消費者さんが食べたい季節とずれています。それをお客さまにも知って欲しいと漁師さんがその時期の牡蠣を用いて加工品を作りました。展示会や、商談会での評判も良く、商品をどんどんブラッシュアップして、令和2年の春には、新商品とともに販路を拡大する予定です。
また、石巻の米農家さんでは、食べるシーンで考えた商品開発をしています。「石巻は寿司の街」という顔を持っていますので「寿司米」としてササニシキを中心に、寿司屋さんの好みに応じたブレンドや精米をしてセミオーダーの米を納品しています。これは昔、お米屋さんがやっていたことを生産者さんが行うことで、新たなニーズを掘り起こしているのです。その他にも、「和食米」「おにぎり米」「炊込みご飯用米」など、消費者向け商品を作りギフト商品にしたり、店頭用の米も作っています。
このほかにも、経営革新等支援機関のアドバイザーやマーケティング戦略でも活動中です。

Q.フードコーディネーターでよかったこと

農林水産業者の方々と、食品加工販売の事業者の方々のマッチングを行うときに、フードコーディネーターとしての提案や工夫が活かされる時だと感じました。
また、自分自身のことで言えば、フードコーディネーターのランクアップが自信につながりました。おかげで、仕事の可能性はどんどん広がっていると感じています。

Q.フードについて一問一答

◆最近作った、または食べた料理で記憶に残ったものは?

ご飯。おいしいご飯は食べるものの、味を引き立ててこそだと思っています。ササニシキの白いご飯は、主張せず、粘り気も少なく、お刺身でも、お肉でも食べモノをおいしくしてくれます。

◆思い出の料理は?

ひいおばあさんと作った「ずんだのおはぎ」。茅葺の薄暗い台所で枝豆の皮を剥いて、すり鉢であたって作ったずんだの餡は格別でした。未だにその味を超えるずんだに巡り合っていません。

◆お気に入りの飲食店は?

八王子市横山町の「とんかつ鈴本」さん。とんかつの食べ方も、ソースも、キャベツの千切りも、社会人1年生の頃からそこで教わりました。今でもご健在です。

◆勝負メシは?

「かも南蛮」
蕎麦屋では鴨汁せいろか、かも南蛮を頼んでいます。蕎麦好きです。本当は海苔がたくさんのった花巻蕎麦が大好きなのですが、お店ではほとんど見かけないので、これを頼んでいます。

◆いま注目の食材は?(料理、飲食店、料理人などでも)

「牡蠣(かき)」
漁師さんのこだわりがいっぱい詰まっています。特に春先の一年物の牡蠣はうま味がのってサイズも大きくて、絶品なのに出荷価格が落ちて、生産者さんを悲しませています。
ですので、そのおいしい食べ方を漁師さんたちと一緒に練っています。
これから紹介していきますので、楽しみに待っていてください。

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