協会員のヨコガオ

協会員のヨコガオ Vol. 19

フードコーディネーターの肩書きがクライアントの信頼を確固としたものに

やまぐちうりさん

エクスチェンジ株式会社
フードコーディネーター2級(商品開発、イベント・メディア)

やまぐちうりさん (東京都)

Q.やまぐちさんの職歴を教えてください。また、フードコーディネーターになった経緯を教えてください

大学卒業後、大分県庁に団体職員として勤務し、知事直轄の地域振興事業に携わりました。
ここで、県産品愛用の推奨ガイド本の発刊や、ふるさとの伝統文化啓蒙イベントに参加し、事務局として支えたことは、数十年を経た今でも私の糧となっています。この事業は後に「一村一品運動」として、地域振興の成功事例となり全国に波及しました。
結婚で離職し、主婦業に。転勤族として20年の間に、北九州、博多、東京、青森、大阪、秋田に居住。赴いた地の風土に親しみ、食材の旬や郷土料理を知り、買って、作って、食べた経験値が、地方での商品開発に役立っています。
52歳で法人化するまでの17年間は、個人事業主「屋号:やまぐちうり」としてコンテンツ企画や制作に伴うコーディネート業務、広告代理店、映像制作会社、家電メーカー他のクライアントの委託で、食分野を含む多種多様なプロジェクトに参画しました。中でも、作家やアーティストのマネジメント業務、販促グッズの企画制作の経験が豊富です。
2005年 エクスチェンジ株式会社設立。以降も業務内容はさほど変わりませんが、仕事の1つで、7年に渡りフード業のブランド構築~商品開発を担ったことが、食分野の資格取得に関心を持つ背景になったと思います。60歳を機に、食分野の仕事に注力しようと決めた際、食の専門知識や情報を得る環境があり、世間的にも認知度の高いフードコーディネーターの資格を取得しました。年齢を顧みず資格試験に挑戦したのは、母が60歳で調理師免許を取得していたことに感化されたものと思います。

Q.お仕事内容を教えてください

◆イベント主催

月1回「食めぐり47」を表参道の古民家再生施設で実施しています。
全国47都道府県の中から1地域をピックアップして、特産食材とクラフトを食卓で紹介し、地域ごとの食文化と風土を学ぶワークショップです。各地の生産者さん、窯元さんを応援したくて考えたイベントですが、現地から迎える作り手や担い手の講師とともに、大きなテーブルを囲んで、学び、味わい、語らう交流の場として、自身も学び楽しんでいます。定員10~30名のうち、3割の方がリピーターで食卓から繋がるご縁もうれしい集いです。
「食めぐり47」は、各地を巡り歴史を廻り、持続可能な循環を考える機会でもありますので、会では規格外野菜を積極的に使い、食べ残さず、使い捨て食器不使用が旨です。今後、全国各地のフードコーディネーター仲間と共に取り組み、この場を共有したいです。
※2020年2月~2023年3月までコロナ休止。2023年5月より再開予定。


食めぐりイベントの様子

◆商品開発

主に地方の特産食材を使った商品開発で、ブランディング立案~商品企画設計を担います。
作り手の責務として、買い手側の立場で商品の使い方提案、レシピ開発に注力しています。また、首都圏での販売を希望する地方クライアントに、都内流通業や小売店舗等を案内する販促学習ツアーを行ったり、通販の最新事情を提供して、消費者の購買行動についての情報共有を図るよう心掛けています。(大分県・山梨県・石川県・宮城県)


デモ用に作ったブルスケッタ6種類

Q.フードコーディネーターでよかったことはどんなことですか?

クライアントが食のクリエイターとして信用してくださること。
全国で活躍されている敬愛するフードコーディネーターと知り合えること。
食に関するセミナーや研修に参加できることです。

Q.やまぐちさんのフードについて一問一答

◆最近作った、または食べた料理で記憶に残ったものは?

練馬大根の蕎麦の実フレーク揚げ
在来種の練馬大根を薄い豚肉で巻き、粗挽きの蕎麦の実を衣にして揚げたもの。「更科蕎麦と江戸東京野菜を味わう会」でいただきました。

◆お気に入りの飲食店は?

神楽坂の「メゾン・ド・ツユキ」
元置屋を改装した一軒家ビストロで、月3日間のみの営業、完全予約制です。
シェフはパリの大手ケータリング会社で25年間、中枢を担った女性で、アジアン料理担当の女将は、辣腕マーケッターとして大手食品メーカーの商品開発や日本特産食材の海外展開を図る等、表の顔があります。二人は世界中のおいしい食材や調理法を仕入れて、提供してくれます。
世界の食のトレンドをリアルタイムで知る機会で、刺激をもらえる店です。

◆いま注目の食材は?


染料として知られる藍ですが、葉も実も食材として古来より食べ継がれる薬草です。
藍畑での刈取り~乾燥作業、染めもの・調理体験を通して学習し、藍の可能性に興味津々。

※記事内容および記事中の所属・肩書きは記事公開時のものです。

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