協会員のヨコガオ

協会員のヨコガオ Vol. 30

フードコーディネーター資格取得のきっかけは自分がどれだけできるかチャレンジしたかったから

平岩 理緒さん

スイーツジャーナリスト
フードコーディネーター2級(商品開発)

平岩 理緒さん (東京都)

Q.平岩さんの職歴を教えてください

マーケティング会社に勤務していたのですが、そのときに食品関係の企業を多く担当していて、食分野にも興味を持っていました。フードコーディネーターの資格取得後に、「スイーツジャーナリスト」としての仕事が増え、会社を退職して製菓の専門学校に通いました。

Q.お仕事内容を詳しく教えてください

「スイーツジャーナリスト」として、お菓子の作り手と素材の生産者、買い手、食べ手とを繋ぐ活動をしています。具体的には、WEB、雑誌、ラジオ、テレビなどの媒体を通じて、様々な情報発信をしているほか、表には出ない裏方として、メーカーの商品開発やマーケティングのサポートをしているケースも多いです。地方自治体や諸団体からの依頼で、スイーツを通じた地域活性化の一環として、コンテスト審査や試作品評価などのお仕事をいただく機会も多いです。


愛媛県農産品を使った「えひめスイーツコンテスト」2011年度の審査風景


「土佐ジロー卵スイーツコンクール(2020年)」の企画、審査員を務めたときのもの


共著『東京最高のパティスリー』(ぴあ・2015年)では、首都圏の他、関西や九州の菓子店紹介も担当

Q.フードコーディネーターになった経緯を教えてください

会社勤務の頃から、スイーツの食べ歩きに興味があり、ケーキ好きのためのWEBコミュニティサイトを立ち上げて情報を発信するのが楽しかったんです。その頃に、協会理事の佐野由美子さんとテレビ出演で出会い、フードコーディネーターのことを知りました。
自分がどれだけできるかチャレンジしてみたい! と思って資格を取得しました。

Q.フードコーディネーターでよかったことを教えてください

年に一度の総会をはじめ、様々な研修会などもあり、自分が学びたい新たな分野の知識についても、専門家から学べることです。
2020年からのコロナ禍で、皆で集う企画は休止になっていますが、またいずれ、再開するといいなと思っています。

Q.コロナ禍において、仕事での変化はありましたか? ご自身で仕事内容を変えた、工夫したなどの例がありましたらお教えください

地方出張予定だった審査や講演の仕事は、2020年以降、全て中止や延期になっていました。
オンラインに変更できるものは、「どうやったらコンテスト審査をリモートでスムーズに共有できるのか?」などと、アイディアを出して、よりよい方法を模索、実現していました。
また、コロナ禍で需要が減り、賞味期限切れでフードロスになりそうだった食材を使ったプロ向けのコンクールを急遽企画し、僅か2カ月間で開催までこぎつけたことも。
打ち合わせも、zoomやteamsを使ったオンラインミーティングが圧倒的に多くなりました。テレビ出演などもオンラインでと言われることも増え、自撮りしなくてはならないことも多くありましたね。
私はもともと、取材対象の方を主役としてご紹介するのが基本で、人前で話すこと自体は緊張することはないのですが、自撮り動画での発信は苦手です。練習を兼ねて少しずつ、Instagramを使ったライブ配信などにも挑戦するようになりました。自分が経験すると、人に説明したり勧めたりすることもできるので、仕事を離れても、SNSの新しい機能や、新しいリリースサービスなど、できる範囲で使ってみるようにしました。
zoomを使ったお菓子の講習会などにも積極的に参加し、その経験を元に、オンライン講習の企画提案なども行っていました。

Q.平岩さんのフードについて一問一答

◆お気に入りの飲食店は?

私の場合、「お気に入り」というほど通っているのは、イートインを備えた菓子店です。もちろん味の好みはありますが、それよりも、そこでゆったり過ごせるかどうか、オーナーやスタッフの心意気が感じられるかどうか、といった雰囲気を優先します。また、生産者との繋がりが感じられる、ナチュラルな素材を使っているかどうかということも、かなり重視しています。
埼玉県春日部の「菓子工房オークウッド」は、ラインナップ、ホスピタリティ、従業員の働く環境整備と、あらゆる意味でバランスの取れたお店で、シェフお手製の家具や、スタッフの皆さんが作ったディスプレイに彩どられたカフェで、ランチやデザートをいただきながらゆったりと過ごすのがとても好きです。

◆今、注目の食材は?

ヴィーガン対応食やヴィーガンミルク製品。
豆乳は日本でもよく知られていますが、アーモンドをはじめ、胡桃やカシューナッツ、ヘーゼルナッツ、オーツなどが原料のヴィーガンミルクと、それを使ったお菓子も見かけるようになりました。私自身は、乳製品をたっぷり使ったスイーツもお料理も大好きですが。


平岩さんがお世話になっているパティスリーが、友人の依頼してくれたサプライズ誕生日ケーキを、小さなケーキにして発売してくれたもの「Hirari(ヒラリ)」


岐阜・大垣の「田中屋せんべい総本家」の春限定「玉穂堂 さくら煎餅」。大垣の和菓子店が出店するイベントへ講演に行った際、本店も訪問


監修を務めた書籍『厳選スイーツ手帖』(世界文化社・2017年)。同シリーズ『厳選ショコラ手帖』もある

※記事内容および所属・肩書きは取材当時のものです。

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